シューベルト : ピアノ・ソナタ 第13番 イ長調 D 664 Op.120
Schubert, Franz : Sonate für Klavier Nr.13 A-Dur D 664 Op.120
作品概要
解説 (1)
執筆者 : 稲田 小絵子
(570 文字)
更新日:2007年5月1日
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執筆者 : 稲田 小絵子 (570 文字)
シューベルト独特の愛らしい旋律に溢れた作品である。彼のピアノ・ソナタの中でも最も親しまれている1曲であろう。作曲年代は1819年夏と25年の説があるが、いまだに結論はでていない(19年説がやや有力か)。なお、いずれの年も、彼は上オーストリアに旅行しており、その地で書き上げたものと考えられる。旅先で知り合ったソプラノ歌手でピアノもよく弾く18歳の娘ヨゼフィーネ・コラーのために書かれたのだという。
後期の同じイ長調ソナタD959と区別して「小さなイ長調ソナタ」と呼ばれるこの作品は、3つの楽章全体に、いわば女性的なやさしい雰囲気が漂っている。しばしば技術的に容易であるとされるが、軽くなめらかな旋律を生かしながら伴奏部と内声をも充実させるのは、必ずしも簡単ではないだろう。
第1楽章:アレグロ・モデラート、イ長調、4/4拍子。ソナタ形式。主題の見事なまでの可憐な調べが印象深い。第1転回形や左手の旋律といった不安定な配置が効果的に用いられているため、解決したときの安堵感がさらに際立っている。
第2楽章:アンダンテ、ニ長調、3/4拍子。両端楽章のはずむようなリズムに比べて、夢想しているかのような静的な雰囲気をもつ楽章。
第3楽章:アレグロ、イ長調、6/8拍子。ソナタ形式。転がり落ちるように始まる冒頭など、軽やかで技巧的な音型の目立つ楽章である。
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