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スクリャービン : ワルツ風に Op.47

Scriabin, Alexander : Quasi-valse Op.47

作品概要

楽曲ID:2589
作曲年:1905年 
出版年:1905年
初出版社:Belaïev
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:性格小品
総演奏時間:1分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

解説 : 山本 奈央 (321 文字)

更新日:2023年7月10日
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1905年パリで作曲された作品である。パリでの演奏会へと赴いたスクリャービンは、《交響曲第3番「神聖な詩」》作品43を初演し、リサイタルを行った。この時には既に、妻のヴェラ・イサコヴィチとは別にモスクワ音楽院の教え子であり、愛人であったタティアナ・シュレゼールとの生活も始まっており、パリ公演へはタティアナと一緒に訪れている。《スケルツォ》作品46《4つの前奏曲》作品48《3つの小品》作品49はどれもパリ滞在の際に書かれたものであった。三部形式で書かれたこの作品は、ワルツの様式で書かれているが、冒頭から既に調性は曖昧で、属9や神秘和音を思わせる和音を使用しており、半音階進行や音を水平に並べることで響きを保持させる手法を駆使している。

執筆者: 山本 奈央

演奏のヒント : 山本 奈央 (311 文字)

更新日:2023年7月10日
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【演奏のヒント】

アウフタクトから始まる「8分音符ー付点2分音符」や「8分音符ー付点4分音符」が基本的なモティーフとなって展開されます。作品は大きく8小節を一つのフレーズとして考えて演奏してください。また、第19小節目の2拍目裏拍からはじまる右手の8分音符は、第20小節目にかかっています。この「重音ー単音」のアルペジオによる上行、下行もスクリャービンのよく使用する書法です。この奏法は上行に向かって少し音を衝突させるような短いクレッシェンドが必要になります。このクレッシェンドを受けて第32小節目には冒頭の主題がオクターブに発展して回帰しますが、徐々に減衰していきます。結尾に向かって主題が消えゆくように演奏してください。

執筆者: 山本 奈央
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楽譜

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