スクリャービン :マズルカ ロ短調
Scriabin, Alexander:Mazurka h-moll
解説 : 山本 奈央 (264文字)
《マズルカ》ロ短調は1889年に作曲され、《マズルカ》ヘ長調と同時期に作曲された。この作品はスクリャービンの初恋の相手でありピアニストのナターリア・セケーリナの親しい家族の医師の娘であったオルガ・モニゲッティに捧げられた作品であり、他に献呈された作品は《幻想ソナタ》嬰ト短調や、《アルバムの綴り》変イ長調などがある。本作品は、三部形式による構成で、《マズルカ》ヘ長調に比べると短い作品ではあるものの、短2度による不安定な動きやオクターブによる飛躍など、この頃には既にスクリャービンの作風の基盤となる部分が現れていることが分かる。
演奏のヒント : 山本 奈央 (178文字)
【演奏のヒント】
《マズルカ》ヘ長調とはまた違う手法で書かれており、第2小節目、第4小節目のアクセントがこの作品の良さを引き出しています。第33小節目、B部分、オクターブの右手は半音のフレーズが不安定さをあらわしています。そこに異なる左手の動きが入りますが、付点または装飾音符が埋もれず、リズムがはっきり聞こえるように左右がつられないように気をつけましょう。
マズルカ ロ短調
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