バッハ :アルマンド ト短調 BWV 836
Bach, Johann Sebastian:Allemande g-moll BWV 836
執筆者 : 朝山 奈津子 (296文字)
《ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための音楽帳》に含まれる作品。おそらく長男との合作である。
バッハの組曲のアルマンドとはまったく異なり、対位法の書法を用いず、旋律と和声付けの役割が明確である。随所で半音階下行する装飾動機が合いの手を入れ、全体は舞曲のリズムが軽快な小品となっている。
なお、この曲に続いてもう一つアルマンドが書き付けられている(BWV 837)。こちらは反復記号までのおそらく前半部分まで作曲されたが、残りは未完のまま残された。簡明な3声で、声部の独立を先のアルマンドより明確にしようとする努力がみられる。
なお、これら2つのアルマンドにはとくに動機の上での関連はみられない。