作品概要
作曲年:1720年
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:アルマンド
総演奏時間:2分50秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (2)
執筆者 : 朝山 奈津子
(296 文字)
更新日:2008年4月1日
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執筆者 : 朝山 奈津子 (296 文字)
《ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための音楽帳》に含まれる作品。おそらく長男との合作である。
バッハの組曲のアルマンドとはまったく異なり、対位法の書法を用いず、旋律と和声付けの役割が明確である。随所で半音階下行する装飾動機が合いの手を入れ、全体は舞曲のリズムが軽快な小品となっている。
なお、この曲に続いてもう一つアルマンドが書き付けられている(BWV 837)。こちらは反復記号までのおそらく前半部分まで作曲されたが、残りは未完のまま残された。簡明な3声で、声部の独立を先のアルマンドより明確にしようとする努力がみられる。
なお、これら2つのアルマンドにはとくに動機の上での関連はみられない。
演奏のヒント : 大井 和郎
(493 文字)
更新日:2023年10月30日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (493 文字)
バッハのg-mollという調は厳かな曲も多いのですが、この曲はフーガ的な書法ではなく、ホモフォニーに近い書法で書かれており、メロディーラインが最も重要なラインとなります。
このアルマンドで敏感になるべき事は、2つあり、1つはハーモニーの入れ替わりによって、強弱を変化させることにあります。もう1つは歌心を持つことです。
例えば1小節目、アーフタクトからg-mollで始まり、4拍目の表拍までで1つの区切りとします。それに対して、そこから先、2小節目はIII (BDF)が来ますので雰囲気を変えます。そして、3小節目、再びg-mollに戻りますが音の高さはBまで達しているため、非常にテンションは高いです。ここはフォルテで。
4小節目Cisが出てきて、ここは(4~5小節間)完全にd-mollに転調したと見なして良いかもしれません。少し音量は落ちるかもしれません。
この例のように、和音の変化に伴い、カラーや強弱をこまめに変えます。
8小節目4拍目より、メロディーラインにタイがかかり始めます。同じような場所は15~16小節間にもありますね。このような部分は表現を強く、歌心たっぷりで歌って下さい。