バッハ :アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳 第2巻 メヌエット BWV Anh.115 ト短調

Bach, Johann Sebastian:Das zweiten Notenbuch für Anna Magdalena Bach Menuett g-moll BWV Anh.115

作品概要

楽曲ID:22593
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:メヌエット
総演奏時間:1分40秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:近年の研究ではクリスティアン・ペツォールト(Christian Petzold, 1677-1733)作曲と結論づけられている

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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (710文字)

更新日:2024年4月21日
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この曲は、如何様(いかよう)な表現も出来る曲でもありますが、原点のg-mollという調は、バッハに取って、どのような調だったのかを考えてみましょう。

インベンションのg-mollは、速いテンポでエネルギッシュに演奏される事もありますが、途中の装飾音を考えたとき、そこまで速いテンポで弾くのは無理ですね。試しにかなりゆっくり弾いてみましょう。そうすると途中の装飾は無理なく入ります。そしてそのようなゆっくりの演奏により、全く違う世界が再現されます。そしてシンフォニアのg-moll、どこかか細い、繊細な面がありますね。

平均律第1巻のプレリュードでも、か細い、悲しみの表現が見られます。

結果、このメヌエットは、そこまでエネルギッシュな曲ではなく、線の細い繊細さがある曲と仮定します。

アーティキュレーション等、考え方は自由ですが、例えば前半8小節を例に取ると、1~4小節間と9~12小節間は同一人物で、5~8小節間、13~16小節間をもう一人の同一人物と仮定し、会話のように考えるのも可能です。

もっと細かく考えると、1~3小節目の1拍目までをひとつのもの、3小節目2拍目から4小節一杯までを1つのものと考え、この2つの音質を異ならせることも出来ます。

8分音符はディタッチ(多少ドライに短く弾く)でも良いでしょう。

あるいは、1~3小節目の1拍目までをヴァイオリンのように弾きますが、2小節目の2,3拍目は同じ音(D)ですので、ここは短くして、あと、3~4小節間を再びレガートで弾くことも可能です。

その先、4小節単位で考え、4小節毎にムードを変えていくようにします。

奏者の感じるように、しかし繊細で細い線の曲として作ってみて下さい。

執筆者: 大井 和郎

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