作品概要
解説 (1)
執筆者 : 朝山 奈津子
(672 文字)
更新日:2007年11月1日
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執筆者 : 朝山 奈津子 (672 文字)
更新日:2007年11月1日
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5楽章:プレリュード、アントレ、メヌエット、ブレ、ジーグ
《アンドレーアス・バッハ本》所収(資料については《幻想曲とフーガ イ短調 BWV944》参照)。バッハの創作史においてきわめて初期に生まれた。具体的な時期は不明だが、おそらくヴァイマール着任以前の作品であり、その後レッスンや演奏にもほとんど用いられることがなかったと見られる。
この組曲に含まれる音楽はどれも、バッハの後年の鍵盤組曲の様式とはまったくかけ離れているようにみえる。模倣はきわめて単純で長いまとまりを作ることがない。和声進行は単純で図式的ですらある。また、全体の響きはフランスの管弦楽組曲を模したように聞こえ、管弦楽作品の鍵盤編曲ではないかと疑う説もある。しかし、メヌエットのトリオを除いて概ね簡潔な2声部のテクスチュアを維持しており、初めから鍵盤用に書かれたとみてほぼ間違いない。フランス風の軽いギャラントな旋律であるのはそのとおりだが、ドイツに典型の手法がとりわけ速い曲の中間終止や最終小節付近に見られる。プレリュード、ブレ、ジーグでは、終止が唐突なまでに簡潔で、和音を断定的に打ち鳴らして終わる。これはドイツのオルガン音楽の伝統に即したもので、リタルダンドはせずに、楽器の残響をうまく利用することで効果が出るだろう。
なお、この曲を伝える唯一の資料、《アンドレーアス・バッハ本》には装飾音が施されている。新旧の全集版に反映されているが、必ずしもバッハが直接指示したものとは限らない。とはいえ、この種の楽曲に装飾音は不可欠であるから、奏者はいずれにせよ大いに研究すべきだろう。
執筆者:
朝山 奈津子
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(株)全音楽譜出版社
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Peters
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