2声のシンプルなジーグで、一瞬にして終わってしまいます。終楽章で厚みを持って終わるのでは無く、線が細く、軽やかで躍動的なジーグです。そのため、左手の表拍に来る4分音符は、スタッカートで弾いた方が重さを避けられます。1~4小節間は繰り返しがありますので、2回目は1回目と異なった音量であったり、アーティキュレーションを変えたりすることも必要です。
形式はABAで、15小節目でAが戻ってきます。最後の18小節目では、筆者の楽譜にはリピートマーキングが付いていませんが、リピートされる版もあるようです。
Bセクションに関しては、Aセクションよりもテンションが上がります。このジーグはこのBセクションのピークポイントが左右の手で異なります。上声部のピークポイントは、10小節目、音が最も高い、Cに達するところです。
一方で下声部のピークポイントは6小節目、最低音のEに達するところで、ここではかなりのフォルテでも差し支えありません。10小節目よりもテンションは高くなっても構いません。「楽しい驚き」と考えます。
最後、18小節目はクレッシェンド=フォルテで終わって良いでしょう。