ブラームス : 4つの小品

Brahms, Johannes : 4 Stücke Op.119

作品概要

作曲年:1893年 
出版年:1893年 
初出版社:Simrock
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:17分00秒

解説 (1)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (752文字)

更新日:2010年1月1日
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ブラームス最晩年の作品の一つ。初期・中期の、オーケストラをそのままピアノに移したような雄大な曲想のソナタ・変奏曲を数々書いた後、1871年の「8つの小品 作品76」から「4つの小品 作品119」まで5つの小品集を書いている。ここでブラームスは、かつて多くの歌曲の中で見せた独特の和声調和や詩的内容の凝縮を再び試みた。ここで表現される感情の変化はもはや過ぎ去った過去の物であり、かつての若かった自分を懐かしむような穏やかな哀愁に満ちた旋律が心に深く残る作品である。この作品でピアノ曲は最後となった。

第1曲「間奏曲」ロ短調:明るくはないが決して悲観的でも絶望的でもなく、すべての感情を超えた上での穏やかさを感じさせる。特に中間部では、過去の作品でも多く使われたブラームス独特の付点によるメロディーが非常に印象的である。

第2曲「間奏曲」ホ短調:前曲の落ち着きとは一変して、リズム的にも和声的にもある種の不安定さを感じさせる曲である。近くおとずれるであろう死への漠然とした不安であろうか。中間部は非常にシンプルで、何の不安もなかった無邪気な時代が再び天国で来るであろうというような、宗教的な達観を感じさせる。

第3曲「間奏曲」ハ長調:テーマは東洋的な五音音階で作られている。軽やかではあるが左手伴奏形は低音より発生し、ドイツ的な生真面目さを併せ持った「giocoso」である。

第4曲「狂詩曲」変ホ長調:堂々としたファンファーレのような重厚な和音によるテーマで幕をあける。前の3曲がピアノ曲らしい繊細さをもっているのとは対照的に、隙のない重厚な和音、また中間部ではピツィカートを思わせる分散和音など、非常に交響的である。第1曲のはじまりからすると少々裏切られたような気になるほど最後は重々しい変ホ短調で劇的に終わる。

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