ペヤチェヴィチ :カプリス ヘ長調 Op.54b
Pejačević, Dora:Caprice F-Dur Op.54b
解説 : 西井 葉子 (370文字)
《フモレスケ》Op. 54(a)を作曲した1週間後の1920年8月6日、34歳の時に書き上げた作品で、ドラのピアノ小品としては最後の作品である。長らく手書きの写譜の形で残されていたが、1978年クロアチア音楽協会(Hrvatski Glazveni Zavod)により初めて出版された。ドラは、当初、《フモレスケ》Op. 54(a)の1週間後に作曲したこの《カプリス》Op. 54(b)のことを《フモレスケ第2番(Second Humoresque)》と名付けており、この2曲をセットとして考えていたようであるが、彼女がどういう理由でタイトルを変更したのかは明らかになっていない。彼女の作品は、ロマンチックで哀愁を帯びたものが多い中で、《フモレスケ》op. 54(a)とともに、ユーモアやウィットなど、彼女の別の側面が感じられる作品である。
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