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シューベルト :ヴィルヘルム・マイスターから D 877 Op.62 ニ長調

Schubert, Franz:4 Gesänge aus 'Wilhelm Meister' D-Dur D 877 Op.62

作品概要

作曲年:1826年 
出版年:1827年 
献呈先:Der Fürstin Mathilde zu Schwarzenberg gewidmet
楽器編成:歌とピアノ 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:13分40秒

解説 (1)

解説 : 髙松 佑介 (733文字)

更新日:2019年4月4日
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 ゲーテを代表する教養小説『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』の詩に基づいた歌曲集。シューベルトは『修業時代』所収の詩への付曲に1815年から断続的に取り組み、未完作品も含めれば、生涯で9つの詩に26の曲を付けた。そのうち、1826年に書かれた本歌曲集の4曲は最後に成立したものであり、D 478とD 877がそれぞれop. 12とop. 62として作曲者の生前に出版されている。

 本歌曲集の4曲がまとめて作曲されたかは明らかでない。スケッチが第1~3曲のみ現存しており、第4曲は1816年に成立した《静かな国へ》D 403の改作であることから、第4曲は出版社の要請によって後に追加で作曲された可能性も指摘されている。

 本歌曲集は、第1曲「ただ憧れを知る者のみが」の二重唱で幕を開ける。この詩への付曲はシューベルトにとって6回目だが、ミニヨンと竪琴弾きの二重唱という原詩どおりの編成を取るのは初めてである。第2曲以降は、ミニヨンの独唱となる。「語れと言わないで」と「このように輝かせておいて」が第2曲と第3曲に置かれ、第4曲として「ただ憧れを知る者のみが」が独唱で再び歌われ、幕となる。なお、中央に置かれた2篇は、シューベルトが1821年に一組で曲を付している(D 726・D 727)。

 原作においてミニヨンという少女は、何者かを明かさない不思議な存在であるため、人間の心にひそむロマン的憧憬の象徴として解釈される。この点で、ミニヨンが特にロマン主義作曲家に愛され、頻繁に取り上げられたのも頷けよう。本歌曲集では、憧れとそれが手に入らない苦悩というロマン主義的テーマを持つ詩が両端に置かれ、秘密を明かせないミニヨンの葛藤と、死を前にした諦念が、その間に歌われる。

執筆者: 髙松 佑介

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