1903年、18歳頃の作品。1905年ブダペストの出版社ハルモニア(Harmonia)から、《6つの幻想小曲集(Sechs Phantasiestücke)》というドイツ語のタイトルで出版された。また、1920年ザグレブのチャクロヴィッチ出版(Edition Čaklović)から、《ユーゴスラヴィア・ピアノ音楽 Vol. 1》として、《Maštanja(夢想)》というクロアチア語のタイトルでも出版されている。前者の楽譜では、曲集内の個々の小品のタイトルもドイツ語で表記されており、後者の楽譜では、個々の小品のタイトルは、クロアチア語の翻訳とともにフランス語で表記されている。1906年ザグレブで、オルガ・シュルツ(Olga Schulz-Granitz)により初演されている。
1. あこがれ、2. 悲しみ、3. 疑問、4. 嘆き、5. 願い、6. 幻想(迷妄)という様々な心の状態や雰囲気を表すタイトルのついた6曲から成る曲集で、形式・内容ともにシューマンの作品を彷彿とさせる、美しくロマンチックな性格的小品集である。7度や9度などの不協和音程が多用され、急な転調も頻繁に見られる。
第1曲 Op. 17-1:あこがれ
第2曲 Op. 17-2:悲しみ
第3曲 Op. 17-3:疑問
第4曲 Op. 17-4:嘆き
第5曲 Op. 17-5:願い
第6曲 Op. 17-6:幻想(迷妄)