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ラヴェル :ラ・ヴァルス(連弾) ニ長調

Ravel, Maurice:La valse (pour piano à 4 mains) D-Dur

作品概要

楽曲ID:16654
作曲年:1919年 
出版年:1921年 
楽器編成:ピアノ合奏曲 
ジャンル:トランスクリプション
総演奏時間:11分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : 加藤 麗子 (644文字)

更新日:2009年9月1日
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原曲は「管弦楽のための舞踏詩」として作曲(1919~1920年)され、1921年には作曲者自身による2台ピアノ編も完成している。これらをもとに、ラヴェルの生涯の友人であるルシアン・ガーバン(Lucien Galban/1877~1957年)氏の手によって連弾(1台4手)編が編曲され、デュラン社から出版された。連弾版は、2台ピアノ版と比較すると、編曲上の制約から若干簡略化されて響きの薄い部分があるものの、オーケストレーションの妙技を発揮しながらプリモ奏者とセカンド奏者が絡むパフォーマンスを要するなど、『一人では 不可能な音楽を二人で実現する』芸術作品となっている。楽譜上にぺダリングの指示がないため、セカンド奏者はプリモ奏者の響きを計算しながらぺダリングの工夫をしなければならず、ソロ版と同様に技術的な難易度が高いことに変わりはない。ピアノ1台でありながら、華麗で官能的にしてユーモアな色彩のパレットを生み出し 、クライマックスでは熱狂の渦となる演奏効果の優れた作品である。

楽譜の冒頭に、ラヴェル自身の「ヨハン・シュトラウス2世のウィンナーワルツへのオマージュ」をうかがい知る書き込みがある。

『渦巻く雲間から、ワルツを踊る男女がかすかに浮かび上がってくる。雲が次第に晴れ上がると、A部において、渦巻く群集で埋め尽くされたダンス会場が現れ、その光景が少しずつ描かれていく。B部のフォルティッシモでシャンデリアの光が絢爛と輝く。1855年頃のウィーンの宮廷が舞台である。(ラヴェル・筆)』

執筆者: 加藤 麗子

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