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ベートーヴェン :ピアノ三重奏曲 第5番「幽霊」 Op.70-1 ニ長調

Beethoven, Ludwig van:Klaviertrio Nr.5 D-Dur Op.70-1

作品概要

作曲年:1808年 
出版年:1808年 
初出版社:Breitkopf und Härtel
楽器編成:室内楽 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:28分10秒

解説 (1)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (1035文字)

更新日:2018年3月12日
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作品70は2曲のピアノ三重奏曲から成り、1808年に作曲された。《運命》《田園》などの交響曲の生み出された「傑作の森」と呼ばれる時期、創作欲が最高にあった時期の作品であり、いずれも意欲作である。  2曲はベートーヴェンのブライトコプフ・ウント・ヘルテル社宛の手紙からもともとピアノソナタとして計画されていたことが明らかになっている。  ピアノが上手であったエルデーディ伯爵夫人(Marie von Erdödy 1779-1837)に献呈されている。初演も同年12月末、エルデーディ伯爵邸でベートーヴェン自身のピアノ演奏によって行われた。初版は翌年の7、8月にブライトコプフ・ウント・ヘルテル社による。  このうち、1曲目の《幽霊》は演奏機会が比較的多い室内楽作品のひとつである。2楽章の陰鬱な表情からこのニックネームがつけられたと考えられているが、いつどのようについた名称なのかは定かではない。この名にふさわしくなく、第一楽章も第三楽章も開けっぴろげで、むしろ快活といってよいだろう。 ■第一楽章 Allegro vivace con brio ニ長調 4分の3拍子。ソナタ形式。  三人がユニゾンで奏する劇的な幕開けである。生き生きとしたこの動機を使用した展開が面白い。展開部はさまざまな調に飛び、表情を変え、三連符と十六分音符が入れ替わりに立ち現れる。第二楽章を予兆させるコーダはゆったりと始まるが、ピアニシモで美しく奏し、冒頭主題を奏して終結する。 ■第二楽章 Largo assai ed espressivo ニ短調 4分の2拍子。  第一楽章とは打って変わって冒頭から陰鬱な世界に聴衆を引きずり込む。チェロの切ない旋律にヴァイオリンが覆いかぶさる。減七のオクターヴアルペジオは不安に陥れるが、やがて穏やかな中間部が訪れ一時の平穏を取り戻す。しかし静寂な中に物悲しげな旋律が現れ、不気味な半音階が下降し、ユニゾンで静かに終わる。 ■第三楽章 Presto ニ長調 2分の2拍子 ソナタ形式。  さわやかな主題はフェルマータでブレーキをかけるが第一楽章との関連を思わせる。ヴァイオリンがアルペジオで下降する部分も急速で、フォルテシモとピアノの対比を聞かせ、第二主題に入る。展開部も提示部の動機がさまざまな調に飛んで展開する。ピアノの単旋律を聞かせた後入る終結部はユニゾンを効果的に多用しており、ピアニシモのピッチカートの後、フォルテシモで力強く曲を締めくくる。

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プレスト

総演奏時間:8分50秒 

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