作品概要
解説 (1)
執筆者 : 和田 真由子
(533 文字)
更新日:2007年8月1日
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執筆者 : 和田 真由子 (533 文字)
更新日:2007年8月1日
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コーカサス地方への旅行中、トルコ・イスラム系諸民族の民俗音楽に接したバラキレフは、その音楽をもとに作曲を行った。その一つが《イスラメイ》である。1869年に作曲、1870年に出版された。
イスラメイとは、カバルディノ地方、アドゥイゲイ地方で行われる民俗舞曲である。タゲスタン地方の舞曲として知られるレズギンカの一種であり、8分の6拍子風のリズムで、速いテンポをもつ。
この《イスラメイ》は技巧的に難易度はかなり高い。当時、名ピアニスト、ハンス・フォン・ビューローが、「あらゆるピアノ曲の中で一番難しい」と言ったとされるほどである。しかし、非常に爽快で華やかな雰囲気をもっており、バラキレフの代名詞とされるほど、広く親しまれている。
3部形式で構成される。第1部では華やかな雰囲気をもって最初に提示された主題が展開していく。中間部では、東洋的なドローンをもった新たな主題が登場し、幻想的な雰囲気をつくりだす。第3部では、最初のイスラメイの主題がより華々しく再現され、プレスト・フリオーソでの熱狂的なコーダに向かう。
作品は、ニコライ・ルビンシュタインに献呈された。初演もルビンシュタインによって1869年12月に行われた。1902年には、第二版として、改訂版が出版されている。
執筆者:
和田 真由子
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