メンデルスゾーン :華麗なロンド Op.29 O 10 変ホ長調
Mendelssohn, Felix:Rondo brillant Es-Dur Op.29 O 10
執筆者 : 和田 真由子 (439文字)
ピアノと管弦楽のための作品ではあるが、全体的にピアノが中心となっており、管弦楽は副次的な役割に徹している。《華麗なカプリッチョ ロ長調 作品22》と同様に単一楽章で構成されている。メンデルスゾーンの師であり、友人でもあるピアニスト、モシュレスの依頼をうけて、1834年作曲を完成させた。
はげしく動くオクターブや、休みなくかけめぐるアルペッジョなど、タイトル通り、ピアノの演奏効果があがるような、“華麗な”作品である。プレスト、8分の6拍子。
管弦楽によるファンファーレの序奏で勢いをつけて、ピアノのロンド主題がリズミカルに現れる。この主題を管弦楽が繰り返す。続いてピアノが経過的な句を奏し、それに管弦楽が間の手をいれながら、テンポよく曲が進む。変ロ長調で、いくらか穏やかな雰囲気をもった副主題が現れる。これが華やかな展開をみせた後、再びピアノに主要主題が現れる。これがさらに展開され、続いて副主題が再現される。最後は主要主題による華々しいクライマックスを形成し、堂々と曲を閉じる。
華麗なロンド 変ホ長調