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フォーレ :8つの小品 Op.84

Faure, Gabriel:8 Pieces breves Op.84

作品概要

楽曲ID:878
作曲年:1869年 
出版年:1902年 
初出版社:Hamelle
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:19分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : 齊藤 紀子 (1317文字)

更新日:2007年10月1日
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この全8曲から成る小品集は、異なる時期に作られた作品を集めて1902年に出版された。ジャン・レオナール=ケクラン夫人に捧げられている。各々の作品についている表題は、出版に際して出版社側が付したものである。但し、この曲集の最後を飾る第8曲目は、《夜想曲 第8番》と同じである。

第1曲目の<カプリッチョ>は、1899年にこの年のパリ音楽院卒業試験のために作曲された。アンダンテ・クァジ・アッレグレットの変ホ長調で8分の9拍子。随所にタイが用いられている。

第2曲目の<幻想曲>は、1902年に作曲されたと考えられている。1903年4月の国民音楽協会でリッカルド・ヴィニェスにより初演された。ワシントンで発見されたこの作品の自筆楽譜のタイトルは<アルバムの一葉>となっている。アッレグレット・モデラートの変イ長調で4分の2拍子。メロディーは付点のリズムが特徴的である。また、ナポリの6度の和音が多用されていることも印象深い。

第3曲目の<フーガ>は、1869年6月に作曲された。オーリッジによると、このフーガは、フォーレがニーデルメイエ校に在学していた際(1863年頃)に、作曲の賞をとるために自作の主題に基づいて作曲したフーガを基に作られた。アンダンテ・モデラートのイ短調で4分の4拍子。4声体で書かれ、絶えず転調する。曲の終わりに、同主短調にあたるイ長調に移旋し、10小節から成るコーダが付け加えられている。このフーガが書かれた際のフォーレの若さを考えると、フーガの主要主題を用いて移旋したコーダを書き上げたことに、フォーレの筆の巧さがうかがえる。

第4曲目の<アダージェット>は、1902年に作曲され、翌年4月の国民音楽協会でリッカルド・ヴィニェスにより初演された。アンダンテ・モルト・モデラートのホ短調で4分の3拍子。但し、ホ短調で書かれているものの、旋法的な要素が色濃く感じられ、和声も独特の雰囲気を醸し出している。この曲では、メロディーが内声に響き、全曲を通して歌われる。そしてそれは、一種の変奏のように扱われる。

第5曲目の<即興>は、1901年にこの年のパリ音楽院卒業試験のために作曲された。アンダンテ・モデラートの嬰ハ短調で4分の4拍子。左右の手の間で受け渡されるアルペジオが特徴的である。同主長調にあたる嬰ハ長調に移旋し、曲を閉じる。

第6曲目の<フーガ>は、1869年に作曲された。このフーガも、第3曲目と同様に、フォーレがニーデルメイエ校に在学していた際に作曲したフーガを基に作られたと考えられている。アンダンテ・モデラートのホ短調で4分の3拍子。4声体で書かれている。このフーガは主題のリズムを明確に提示することが難しいが、それはピアノ技法上の難しさというよりも、寧ろ、多声的な室内楽的な難しさとなっている。

第7曲目の<よろこび>は、1902年に作曲され、翌年4月の国民音楽協会でリッカルド・ヴィニェスにより初演された。アレグロ・ジョコーソのハ長調で8分の6拍子。曲全体を通して16分音符による3連音符のリズムが支配的で、それが「ジョコーソ」に寄与していると考えられる。

第8曲目は前述の通り、《夜想曲 第8番》に同じである。

執筆者: 齊藤 紀子

楽章等 (8)

カプリッチョ Op.84-1

調:変ホ長調  総演奏時間:1分30秒 

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幻想曲 Op.84-2

調:変イ長調  総演奏時間:1分30秒 

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フーガ Op.84-3

調:イ短調  総演奏時間:3分30秒 

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アダジェット Op.84-4

調:ホ短調  総演奏時間:3分30秒 

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即興曲 Op.84-5

調:嬰ハ短調  総演奏時間:2分30秒 

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フーガ Op.84-6

調:ホ短調  総演奏時間:2分30秒 

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喜び Op.84-7

調:ハ長調  総演奏時間:1分30秒 

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ノクターン Op.84-8

調:変ニ長調  総演奏時間:3分00秒 

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