作品概要
解説 (1)
執筆者 : 和田 真由子
(682 文字)
更新日:2007年7月1日
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執筆者 : 和田 真由子 (682 文字)
シューマンのピアノ曲の中でも優れた作品の一つとされる。1838年から1839年にかけてのウィーン滞在中に書かれた。「アラベスク」作品十八や、「花の曲」作品十九もこの頃の作品である。
フモレスク(フモレスケ)とは、喜び、悲しみ、笑い、涙など、様々な感情が交差したような状態を言い、シューマン自身は、「ドイツ人に特有な〈情緒的と知的とのたくみな融合〉」と言っている。
この曲は、多くの部分からなるが、切れ目なく演奏され、その中で次々と気分を変化させていく。大きくは5つの部分にわかれている。
第一部分:
変ロ長調、四分の四拍子「単純に」ではじまる。次第に速度をはやめ、四分の二拍子、「非常に早くて軽く」、気分を高揚させる。2番目の楽想、冒頭の楽想へと移行するにつれて曲は静まっていき、四分の二拍子で終わる。
第二部分:
ト短調。四分の二拍子、「性急に」はじまり、内声を出してすすむ。「速度をはずし たように」高音が軽快にすすむ。「次第に早く」、「どんどん強烈に」なるが、まもなく弱まり、変ロ長調のアダージョに達する。
第三部分:
「単純にかつやさしく」奏される、アリアのようなメロディが魅力的である。対位法的な書法がもちいられ、まもなく、切迫した中間部がある。そののち、再び初めの旋律にもどる。
第四部:
変ロ長調、「親密に」うたわれる短い楽想が繰り返され、第五部につながれる。
第五部:
ト短調、変ロ長調を揺れ動くように、変化に富んだ展開をしめす。「非常に活発に」演奏され、ストレットで緊迫させたあと、「いくらかの壮麗さをもって」演奏する。変ロ長調の曲で「情緒的と機知的の融合」になる。
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