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シューベルト :ハンガリー風のメロディ ロ短調 D 817

Schubert, Franz:Ungarische Melodie h-moll D 817

作品概要

楽曲ID:596
作曲年:1824年 
出版年:1928年 
初出版社:Strache
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:性格小品
総演奏時間:4分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

演奏のヒント : 赤松 林太郎 (657文字)

更新日:2025年2月3日
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シューベルトは健康の問題や金銭的な困難を抱えていたため、その短い生涯で遠方を旅することはありませんでしたが、唯2回ウィーンを離れて他国に出ました。1818年と1824年に滞在したツェリス(当時のハンガリー、現在のスロヴァキア領Želiezovce)にはエステルハージ家の邸宅があり、ヨハン・カール・エステルハージ伯爵に雇われたシューベルトは娘たちに音楽を教えました。その邸宅の厨房でハンガリー人のメイドが歌っていた民謡が、《ハンガリーのメロディ》の主題となった可能性が高く、1824年シューベルトと共に滞在したカール・フォン・シェーンシュタイン男爵が証言しています。楽譜に1824年9月2日の日付が記されていることも、この証言の信憑性を高めるものですが、この主題はシューベルトが「ハンガリー風」に作った、全くのオリジナルだという説もあります。いずれにしても、ハンガリーの叙情が色濃く感じられるノスタルジックなメロディです。


Op.94-3の《楽興の時》を思わせる8分音符による左手の伴奏も詩的です。Allegrettoが与えられていることからも、テンポの可能性はさまざまでしょう。速めのテンポを選ぶと軽やかになり、大きなフレーズを生かす歌い方ができ、遅めのテンポですと歌曲風になり、旋律の持つ郷愁を醸し出すことができるでしょう。

【参考リンク】

シューベルトを敬愛していたリストはこの作品も編曲しています。

 音源 https://www.youtube.com/watch?v=dqeOQNzWhmY

 楽譜 IMSLP

 

執筆者: 赤松 林太郎

解説 : 稲田 小絵子 (179文字)

更新日:2008年3月1日
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参考動画&オーディション入選(1件)

Ungarische Melodie D817 ハンガリー風のメロディ

楽譜