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ショパン : 「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 変ロ長調 Op.2
Chopin, Frederic : Variations sur "La ci darem la mano" du "Don Juan" B-Dur Op.2
作品概要
作曲年:1827年
出版年:1830年
初出版社:Vienna
献呈先:Titus Woyciechowski
楽器編成:ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ)
ジャンル:変奏曲
総演奏時間:22分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
原曲・関連曲: モーツァルト 《オペラ 『ドン・ジョヴァンニ』》
解説 (1)
執筆者 : 齊藤 紀子
(536 文字)
更新日:2007年9月1日
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執筆者 : 齊藤 紀子 (536 文字)
ティトゥス・ヴォイチェホフスキに献呈。モーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》第1幕のドン・ジョヴァンニとツェルリーナの二重唱<ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ(お手をどうぞ)>から主題をとった変奏曲である。
シューマンが、自ら主筆を務めた『音楽新報』(ドイツ・ライプツィヒ発刊)の1831年12月7日号で、「諸君!脱帽せよ、天才だ!」と絶賛したのは、この作品。彼は更に、変奏1つ1つに対して、文学的なコメントを付した。ただしこの批評は、当時の音楽界ではあまり影響力を持たなかった(むしろ、早々にショパンの才能を評価したシューマンの眼力と文才を証明するとして、後年の歴史家が引き合いに出すものである)。また、ショパン自身もこのような「空想」をあまり好まなかったことが、今日に伝わる書簡からわかっている。
規模の大きな序奏から始まる。主題から引き出されたモティーフをまず弦楽器が静かに奏で、その後、ピアノ・パートが登場する。序奏の最後にカデンツァが挿入されており、アッタッカで主部へと入る。この主部は、主題と5つの変奏からなり、各変奏の合間には、オーケストラによるリトルネッロが置かれる。第5変奏に続いては、アッラ・ポラッカ(ポーランド風に)と記された大フィナーレが据えられている。