作品概要
解説 (1)
執筆者 : 朝山 奈津子
(335 文字)
更新日:2007年7月1日
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執筆者 : 朝山 奈津子 (335 文字)
更新日:2007年7月1日
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トッカータ楽章は、華やかな走句で幕を開ける。以下は複縦線で緩やかに区切られ、全体では4セクションから成る。深刻なレチタティーヴォ風のアダージョ、舞曲風の明るいアレグロ、再びレチタティーヴォに戻って終止する。
続くフーガでは、主題の反行形、逆行形をも用いた厳格な対位法が展開される。付点リズムのみで構成される主題は、一時も途切れることがなく、まったく緩みのない重厚なテクスチュアを生む。これは190小節ものあいだ続き、そもそも演奏の易しくないこのフーガをますます近づきがたいものにしている。しかし、フーガ主題はきわめて聞き取りやすく、推進力を持っていて、聴く者を退屈させない。前半の舞曲風セクションやレチタティーヴォとの対比があいまって、演奏効果の高い作品に仕上がっている。
執筆者:
朝山 奈津子
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バッハ集6 ケース入り
(株)春秋社
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【ミュッセ】トッカータ ト短調 BWV 915
Peters
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