ヤナーチェク :霧の中で
Janáček, Leoš:V mlhách
執筆者 : 小崎 紘一 (394文字)
《イェヌーファ》は既に初演されており、いくつかのオペラを発表してはいたが、当時の楽檀ではヤナーチェクの名前はそれほど広まってはいなかった。当時の彼はすでに60に手が届こうとしていた。
このことはヤナーチェクを不安にさせた。焦燥に駆られる以上に、まず先行きが案じられた。後に自身も認めているように、《イェヌーファ》がプラハで成功を収める前の不安定な状況がここでは綴られている。作曲家のうつろう心を表すかのように同じメロディやオスティナートが形を変えながら各曲を行き来する。タイトルにある霧とはそれを表しているとされ、また多用される黒鍵が細やかな陰影を与えていることと連関付ける向きも多い。しかし、心情の吐露に埋没せずにあくまでも小品としての気品を湛えているところにこの作品の持つ力強さがある。
第一曲 Andante
第二曲 Molto Adagio
第三曲 Andantino
第四曲 Presto
アンダンテ
総演奏時間:5分30秒
動画2
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楽譜0
編曲0
モルト・アダージョ
総演奏時間:3分30秒
アンダンティーノ
総演奏時間:4分00秒
プレスト
総演奏時間:4分30秒
霧の中で 1. アンダンテ
霧の中で 4. プレスト
霧の中で 2. モルト・アダージョ
霧の中で 3. アンダンティーノ