ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第31番 第1楽章 Op.110
Beethoven, Ludwig van : Sonate für Klavier Nr.31 1.Satz Moderato cantabile molto espressivo
作品概要
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:6分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:展開2 展開3
楽譜情報:4件解説 (2)
解説 : 岡田 安樹浩
(305 文字)
更新日:2019年2月16日
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解説 : 岡田 安樹浩 (305 文字)
第1楽章 4分の3拍子 変イ長調 ソナタ形式
叙情的な主要主題は、付点リズムをもつ4声書法による前半4小節と、歌唱風の旋律を単純な和声的伴奏が支える後半6小節からなる。アルペジオによる推移(第12小節~)を経て、副次主題(第28小節~)が属調であらわれる。
展開部(第40小節~)は主要主題前半4小節の動機によって構成され、ヘ短調、変ニ長調、変ロ短調を経て、再現部(第56小節~)で主調の変イ長調へ至る。
推移のアルペジオ音型を伴って主要主題が再現され、後半が下属調へ移される。ホ長調での推移(第70小節~)を経て主調で副次主題が再現される。コーダでは推移のアルペジオがふたたびあらわれ、その余韻の中に楽章を閉じる。
演奏のヒント : 大井 和郎
(629 文字)
更新日:2025年10月9日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (629 文字)
学習者が陥りやすい典型的なミスを述べます。
1 4小節目のトリルはクレシェンドディクレシェンドになりますが、トリルのスピードも同じにならない方がよく、テンションの高い部分(音量の大きい部分はトリルの動きを速くし、音量の少ない部分はスピードを落とすようにします。そしてトリルは最終的に2拍目裏拍の32分音符と同じ速度になるよう落として行けば、32分音符にスムーズに入ることが出来ます。
2 5小節目以降の左手の16分音符は、忙しく聞こえさせないこと。Moderato ですので、ゆったりと進みます。この左手が大きすぎたり、速度が速すぎたりすると聴衆は圧迫感を感じます。
3 25〜27小節間の左手のトリルは、下手をすると何の音が鳴っているのか解らなくなります。トリルの最初の音、つまり、実音で書いてある音をまず弾いて、しばらく経ってからトリルをスタートさせることで、その音のトリルであることがわかり、下行形順次進行を聴き取ることが出来ます。音を伸ばさずにトリルをスタートさせると、ペダルによって濁りも生じ、バスの音がクリアーに聞こえなくなります。
4 44〜55小節間、ペダルを極力控え、濁りを避けて下さい。
5 100〜104小節間、拍を失いやすい部分です。いつでもカウントを忘れないように。
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