ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第14番 「月光」 第2楽章 Op.27-2
Beethoven, Ludwig van : Sonate für Klavier Nr.14 "Sonata quasi una fantasia"(Mondscheinsonate) 2.Satz Allegretto and Trio
作品概要
解説 (1)
解説 : 丸山 瑶子
(490 文字)
更新日:2019年3月5日
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解説 : 丸山 瑶子 (490 文字)
第2楽章 Allegretto 3/4拍子 Des-Dur
複合三部形式。両端楽章のcis-Mollに対してエンハーモニックの関係にあるDes-Durを主調としたのは、第一楽章の楽章タイプと並んで、作曲家が慣習からの逸脱を図った調選択だろう。また楽章冒頭が主調主和音の基本形ではなく、第3音Fを低音とする第一転回形で始まる点にも、和声的工夫によって極度の単純さを避けようとする姿勢が窺える。
主部の冒頭主題はレガートとスタッカートという対照的なアーティキュレーションを持つ2小節の交替から成り、ここにはop. 26の第2楽章との類似が指摘されている。冒頭8小節は直後に変化反復されるが、ここでの旋律のシンコペーションがトリオ部の旋律構造と共通し、楽章全体の統一に寄与している。
トリオ部の冒頭と末尾は属音ないし主音の保続低音によってパストラル風の性格が与えられている。これによる主和音の和声的安定は、主和音の第一転回形から始まる主部とのバランスをとる措置と考えられる。初めて保続低音が無くなる反復記号後は、右手も順次進行を含まぬ五度ないし四度の跳躍音形が連続し、前後の部分と対照を成す。
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