ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ 第6番 第1楽章 Op.10-2

Beethoven, Ludwig van:Sonate für Klavier Nr.6 1.Satz Allegro

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:8分00秒
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1199文字)

更新日:2019年12月20日
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このソナタは、ベートーヴェンが影響を受けたハイドンなどの作曲家によって、楽天的な曲となっているのですが、op 2の頃に比べ、ずいぶんとベートーヴェンらしさが出てきたソナタになっています。op 2辺りのムードで言えば、多少オペラブッファ的な要素もあり、切実な感じはしませんでしたが、このソナタの第1楽章は、単なる軽いドラマではなく、ベートーヴェンの持つ独自の強いエネルギーを感じずにはいられません。そして、単にピアノトリオ、弦楽四重奏のみならず、オーケストラの背景も加わってきたようにさえも感じる書法です。

しかしながら、このソナタの第1楽章は至って楽天的です。とても若々しい元気さを感じる楽章ですので、ダイナミックの幅を広く保ち、生き生きと弾くことが大切です。ベートーヴェンの好む、突然のフォルテ、突然のピアノもこの楽章至る所にありますね。注意点を解説をしていきましょう。

冒頭4小節、オーケストラ等が複数でpの和音を奏で、ソロ楽器が3連符を弾く部分です。pの範囲内で演奏します。5ー12小節間、弦楽四重奏的なイメージとお考え下さい。故に、左の伴奏は表拍に来ますが、決してアクセントを付けないように、横に流すように弦楽器をイメージします。その上をソロ楽器がメロディーの演奏をします。

16小節目2拍目より18小節目1拍目まで、突然フォルテになりますが、これはGr 65という和音が、a-mollのドミナントに解決されることが3回繰り返されます。故に、各小節、各拍、表拍のほうが、裏拍より多少弱めに弾きます(和音の解決と考えるからです)。

18小節目裏拍より26小節目までpと筆者は考えます。そうでない考えの方もいらっしゃるとおもいます。つまりは、27小節目のFFに向かってクレシェンドしていくという考え方もあり、それはそれで構いません。筆者がそう考えない理由は、crescという文字が書かれていないこと、そして各フレーズのピークが単なるスフォルツアンドであること(スフォルツアンドという意味は、特にそこだけを強くという意味だけではなく、そのダイナミックの範囲内でアクセントを付けるという意味です。故にpのセクションに来るスフォルツアンドは少しアクセントを付けるくらいにとどめておきます)です。ただし、19ー22小節間と、23ー26小節間を比べた場合、23ー26小節間のほうが、19ー22小節間より多少大きいと思います。故に、27小節目、筆者はsub FFと考えます。

この楽章の全体のテンポは、41ー43小節間の32分音符が正確に弾けるテンポに設定します。つまりここは最も音符が細かい小節の1部です。ここに全体を合わせるようにして、テンポはもちろん1つにします。各セクションテンポが異ならないようにします。

77ー94小節間、3連符のリズムをよく聴いて、粒がそろうようにしましょう。ここが崩れる学習者もいます。

執筆者: 大井 和郎