ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ 第1番 第1楽章 Op.2-1

Beethoven, Ludwig van:Sonate für Klavier Nr.1  1.Satz Allegro

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:4分00秒
ピティナ・コンペ課題曲2019:D

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3

楽譜情報:3件
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解説 (1)

解説 : 岡田 安樹浩 (632文字)

更新日:2009年1月1日
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(第1楽章)ヘ短調 2分の2拍子 ソナタ形式

明瞭なアレグロ・ソナタ形式であるが、主題の調性選択に既に後年のベートーヴェンを予感させる試みがみてとれる。提示部と展開部+再現部がそれぞれ反復されるハイドンやモーツァルトのソナタによくみられる、古典的なソナタ形式である。

[提示部]

マンハイム・ジャンプと呼ばれる上行する主和音のアルペッジョと、下降する装飾的な音型、そして1拍目に休符を置くことで拍節感のズレを生み出す和音の刻みによって特徴づけられる主要主題に対し、属音上でなだらかに下降する副次主題は変イ長調である。主調のヘ短調に対し、変イ長調は短3度の関係にあり、一般的な近親調関係では平行調にあたる。

この後、主要主題の分散和音要素と副次主題の下降音型の要素をバス声部とソプラノ声部に共有するもう1つの副次主題が変イ長調であらわれた後、主要主題の変形によるコデッタが置かれ、変イ長調に終止する。

[展開部+再現部]

展開部ではまず主要主題の要素が変イ長調であらわれ、増6の和音を介して変ロ短調へ転調する。下降する副次主題がゼクエンツ風に繰り返され、変ロ短調からハ短調を経由し、変イ長調に転調すると、提示部にはみられなかった楽想が経過的に挿入される。

やがてヘ短調の属音上に主要主題の装飾音型が断片的にあらわれ、再現部を準備する。

装飾音型に導かれて主要主題が再現するが、ここでは冒頭で提示された際と特徴的だった拍節のズレが修正されている。副次主題は共に主調のヘ短調で再現さる。

執筆者: 岡田 安樹浩