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モーツァルト : ロンド ニ長調 K.485

Mozart, Wolfgang Amadeus : Rondo D-Dur K.485

作品概要

楽曲ID: 304
作曲年:1786年 
出版年:1786年
初出版社:Hoffmeister
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ロンド
総演奏時間:6分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

演奏のヒント : 大井 和郎 (910 文字)

更新日:2025年10月9日
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これは実にデリケートな曲で、細部に至るまでに細心の注意が必要になります。まずテンポですが、44拍子ですので、ご自分で4拍子を指揮してみて、あまり速すぎるテンポは避けるようにした方が無難です。あまり速すぎてしまうと4352小節間などが、トッカータのように、技巧的に聞こえてしまうという理由もあります。この、4352小節間を弾いたとき、そこまで焦って聴こえないテンポを選んでみて下さい。

次にペダルです。この曲はペダルを用いず、フィンガーペダルでも何とかなりそうな曲でもありますが、ペダルを使ってももちろん構いません。ただし、8小節目や、47小節目の様に、音階が16分音符で来るところでペダルを踏み続けたりしないことです。濁りが生じます。

そしてこの曲は、強弱マーキングが詳しく書かれていない場所もあります。

例えば、6061小節間のように、オーケストラのtutti 、その後に、6364小節間のような、木管の小さな編成等、想像に難しくない部分は良いのですが、全く何も書かれていない場所は、どうしたらよいでしょうか?そのようなとき、モーツアルトの交響曲等を聴き、どのような楽器がイメージされて書かれてあるのかを想像してみて下さい。例えば、78小節目2拍目裏拍から始まるフレーズは、筆者にとっては、決してフォルテの部分では無く、木管などの、落ち着いた雰囲気の楽器、あるいは弦楽器でも弱い音で弾かれる部分です。そこからシークエンスを経て徐々にクレシェンドして行きます。歌にたとえたとしても決してこの部分は攻撃的では無く、内緒話に近いようなデリケートな部分です。

この曲は1つのドラマ、1つのオペラのシーンと考えてみてください。決して深刻な曲では無く、どちらかというと楽天的ですが、同時にデリケートな曲でもあります。例えば、27小節目1拍目の右手は、DCですが、Dが非和声音になって、Cが解決音ですので、DよりもCを弱く、短く弾くようにしてみて下さい。

執筆者: 大井 和郎

執筆者 : 齊藤 紀子 (258 文字)

更新日:2008年2月1日
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1786年に、シャルロッテ・フォン・ヴュルベン嬢のために作曲された。アレグロの4分の4拍子、ニ長調で書かれている。主要なテーマは、主和音と属和音の構成音をなぞる簡素なものを主体としている。しかし、そこに前打音を付加したり、弾むようなリズムで仕立てたりすることにより、明快でかわいらしいメロディーを生み出している。左手は分散和音を主体としているが、この左手が低音域でメロディーを歌う場面もある。尚、このロンドは、主要テーマが主調以外でも提示され、音楽の形式論で一般的なロンド形式よりはソナタ形式に近い構成となっている。

執筆者: 齊藤 紀子

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近藤 由貴

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