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ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」 第2楽章 Op.13

Beethoven, Ludwig van : Sonate für Klavier Nr.8 "Pathetique" 2.Satz Adagio cantabile

作品概要

楽曲ID: 26095
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:5分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展4 発展5 展開1

楽譜情報:51件
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解説 (2)

解説 : 岡田 安樹浩 (251 文字)

更新日:2019年1月6日
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Adagio cantabileの緩叙楽章。主要楽章のハ短調にたいして長3度下の変イ長調とるのはベートーヴェンの常套手段である。

アリオーソ風の上声とバス声部の間を16分音符が和声的にささえている主題によって開始される。ハ短調の楽句(第17小節~)を挟み、変イ長調の主題が回帰した後に、変イ短調の主題が提示される(第37小節~)。3連音符による和音の刻みを基調としたこの主題は、異名同音への読み替えによってホ長調に転じる。

再び冒頭の主題が伴奏型を3連音符に変えて回帰して(第51小節~)この楽章を閉じる。

執筆者: 岡田 安樹浩

演奏のヒント : 大井 和郎 (679 文字)

更新日:2025年10月9日
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この第2楽章に限らず、古典派時代の第2楽章というと、静かでゆっくり というイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか?確かに、中間部にある楽章は遅いテンポ設定になっていることが多くあります。しかしながらこれだけは覚えておいて欲しいのが、「必ずしも静かとは限らない」 という事です。ゆっくりしたテンポでも、フォルテの部分はフォルテとして聴かせて欲しく、特にベートーヴェンのソナタの場合、それは必須になります。

例えば51小節目からは,3連符の素材とメインテーマの素材が合わさり、pからクレシェンドをかけていきます。そして、59小節目に達したとき、更に層は厚くなり、ここはヘンレー版では強弱マーキングが何も書かれていないものの、フォルテになって間違い無いと思います。ここに到達してから、64小節目、左手の3連符がなくなり、上声部のアンサンブルグループのみの演奏となるため徐々に音量を落として行き、曲の最後までディミヌエンドをかけます。このように曲を大きく観るようにします。

アーティキュレーションに関して、例えば28〜29小節間、16分音符に対し、2つの音符にスラーがかかっている場合、通常であれば、後ろ側の裏拍の音符を短く切るのですが、筆者の個人的な感想からすると、少し違和感を感じます。この場合、表拍の音符(1小節に4つ)の方を多少強くし、裏拍の音符を弱くすることで良いと思います。

執筆者: 大井 和郎

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