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スクリャービン : カノン ニ短調

Scriabin, Alexander : Canon d-moll

作品概要

楽曲ID:2546
作曲年:1883年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:カノン
総演奏時間:2分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

解説 : 山本 奈央 (317 文字)

更新日:2023年7月10日
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1883年、スクリャービンが11歳の時に作曲されたものであり、現存する中では、最初に完成させた作品である。1882年に陸軍幼年学校に通い、翌年1883年にゲオルギイ・コニュスにピアノを学んだ。その後、スクリャービンの才能は著しく成長し、1884年、ニコライ・ズヴェーレフにピアノを、1885年、セルゲイ・タネーエフに作曲を学び、1888年モスクワ音楽院に入学した。このカノンニ短調は、3声による短い作品であるものの、内声は8分音符が常に流れ、両外声に現れるメロディーがカノンとなり、全体的にポリリズムで構成される。

これは、スクリャービンの作風に度々現れる手法で、既に幼少期の頃より、このスタイルが確立されていることがわかる作品である。

執筆者: 山本 奈央

演奏のヒント : 山本 奈央 (261 文字)

更新日:2023年7月10日
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【演奏のヒント】

作品は3声のポリフォニーによって書かれています。両外声がカノンになっており、内声が伴奏となります。三連符のメロディーが特徴的ですが、音がきれないようレガートを忘れずに、内声の三度の和音は大きくならないように気をつけましょう。第17小節目からはニ短調から平行調のへ長調へ移調しますが、すぐにニ短調へと戻ります。特に第22小節目の左手「Des」や第23小節目の右手「Cis(Desの異名同音)」など転調に含まれる音の変化がメロディーのなかで度々見られますので、調性の移り変わりを意識するように弾いてみましょう。

執筆者: 山本 奈央

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