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スクリャービン(スクリアビン) :ピアノ・ソナタ 第1番 Op.6 ヘ短調

Scriabin, Alexander:Sonata for Piano No.1 f-moll Op.6

作品概要

作曲年:1893年 
出版年:1895年 
初出版社:Belaïev
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:24分40秒

解説 (1)

執筆者 : 野原 泰子 (755文字)

更新日:2008年1月1日
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《ソナタ第1番》は、スクリャービンがモスクワ音楽院の卒業試験を終えて間もない、1892年の夏に書かれた。この時期のスクリャービンは、過度のピアノの練習から右手を麻痺させてしまい、神経衰弱に瀕していた。コンサート・ピアニストを目指す20歳のスクリャービンにとって、それは克服しがたい障壁であった。彼はかつてない敗北感を味わい、人生の価値や宗教、神をめぐり思索するようになる。当時のメモには、このようにある。「私は熱烈に、心の底から祈り、教会に行った…。運命に対して、神に対して叫んだ。〈葬送行進曲〉つきの《ソナタ第1番》を作曲した。」

第1楽章(ヘ短調)は、悲劇的な感情の激発を思わせる第一主題に始まり、対照的に優しく穏やかな第2主題(22~30小節目、変イ長調)とともに、慣習的なソナタ形式のなかで緻密な主題労作がなされる。冒頭とは対照的に長調(へ長調)のppppで閉じられる。

第2楽章(ハ短調)は、静かで悲しげなコラールで始まる。主題を繰り返しながら、徐々に装飾的で繊細なテクスチャーが紡ぎ出されてゆく。第1楽章と同じく長調(ハ長調)で終止する。

第3楽章(ヘ短調)のプレストでは、脈動するリズムで、左手(オクターヴ)のシンコペーションが不穏な楽想を生みだす。スクリャービンはこれを、神や運命を前に屈しての“ропоты(不平のつぶやき)”と呼んだ。この主題が帰還してfffへと激発した後、レントのフレーズが最終楽章への架け橋をする。

第4楽章(ヘ短調)では、葬送の行進のリズムが低音で刻まれ、心の押しつぶされるような旋律が荘重に歌われる。中間部では極めて静かに(Quasi niente)、天上的なハーモニーが聞こえてくる。葬送の歩みが再び始まり、行列が過ぎ去るように静まった後、フォルテの悲痛な終止和音が響く。

執筆者: 野原 泰子

楽章等 (4)

第1楽章

総演奏時間:10分20秒 

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第2楽章

総演奏時間:5分10秒 

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第3楽章

総演奏時間:3分50秒 

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第4楽章

総演奏時間:5分20秒 

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