ホーム > ハイドン > アリエッタと12の変奏 変ホ長調

ハイドン :アリエッタと12の変奏 変ホ長調 Hob.XVII:3

Haydn, Franz Joseph:Arietta con 12 variazioni Es-Dur Hob.XVII:3

作品概要

楽曲ID:2537
作曲年:1774年 
出版年:1788年 
初出版社:Artaria
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:変奏曲
総演奏時間:14分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

解説文 : 熊本 陵平 (652文字)

更新日:2025年1月17日
[開く]

二部形式

   A[a(1から4小節)+b(5から10小節)]

            B[c(11から14小節)+b(15から20小節)]

  調性は変ホ長調。アリエッタとは二部形式などの小規模な構成でのアリアを意味する。したがって、歌唱的なイメージを持って演奏するテンポ感を考えたい。

 

 和声的変化がとても豊かである。3小節でドッペルドミナントを経て4小節に属和音による半終止を迎えると、5から6小節は緩やかにゼクエンツで下行していく。5小節はⅡ調上属7からⅡ、6小節は属7からⅠと和声進行していくと、7小節で再びⅡ、そして半音下がって準固有和音Ⅳというふうに、2度進行による下行を繰り返しながら、色彩豊かに変化する。

 5小節から10小節は構成としては二つに分かれる。前半は5小節から8小節の拍頭の属7までで、その2拍目から10小節までが後半である。特に8小節では1拍目と2拍目以降で和音が違うため、これを繋げて弾くと和声感が曖昧になってしまうので注意したい。

 12小節から13小節ではⅥ調上属7がⅥによって和声解決される。長調におけるこの進行はしばしば憂いを表している。楽節は勿論このまま続いて、順次進行で下行して14小節ではⅣ調上属7となり明るさを取り戻す。15小節以降は前半の楽節b(5から10小節)と同一なので割愛する。

執筆者: 熊本 陵平

執筆者 : 齊藤 紀子 (203文字)

更新日:2007年12月1日
[開く]