ハイドン : ソナタ 第56番 ニ長調 Hob.XVI:42 op.37-3
Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.56 D-Dur Hob.XVI:42 op.37-3
作品概要
作曲年:1784年
出版年:1784年
初出版社:Bossler
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:11分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:第56番は「ウィーン原典版」の番号
※参考情報:前山仁美「ハイドンの世界」
解説 (1)
執筆者 : 齊藤 紀子
(600 文字)
更新日:2007年8月1日
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執筆者 : 齊藤 紀子 (600 文字)
「ソナタ集 第2巻」として1784年に出版されたことから、それまでには作曲されていたことがわかっている。ここには、Hob. XVI/40-42の作品37の3曲が収められていた。この3曲のピアノ・ソナタはすべて全2楽章から成り、このピアノ・ソナタはその3曲目にあたる。
第1楽章のニ長調は、アンダンテ・コン・エスプレッシオーネの4分の3拍子。この楽章は、ソナタ形式ではなくロンド形式で書かれている。そのロンド主題は、上行音形に基づいており、それに伴う左手の音域も高音部記号で書かれていることが多い。最初の副次的主題は、左右の手による会話を思わせるものとなっている。その後、回帰するロンド主題は、冒頭の1オクターヴ下で開始し、冒頭と同じところまで上昇する。従って、上昇する性格を更にきわめていると言える。その後、挿入される副次的主題は、先の副次的主題の左右の登場順番を入れ替えたものとなっている。この楽章の最後に回帰するロンド主題(第94小節~)は、細かく装飾的な音に富んだものとしてリズム変奏されている。
第2楽章のヴィヴァーチェ・アッサイは、第1楽章と同じニ長調による。そして、形式にとらわれることなく、自由な構想で書かれているように思われる。楽章全体に、溌剌とした性格が行き渡っており、冒頭の主題が性格に再現されるというよりも、この主題を多様に展開させたものを無窮動的に紡ぎだしていく楽章となっている。
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