ハイドン : ソナタ 第48番(ソナチネアルバム第13番) ハ長調 Hob.XVI:35 op.30-1
Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.48 C-Dur Hob.XVI:35 op.30-1
作品概要
作曲年:1780年
出版年:1780年
初出版社:Artaria
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:13分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:第48番は「ウィーン原典版」の番号
原曲・関連曲: 曲集・オムニバス 《ソナチネ・アルバム1》
解説 (2)
演奏のヒント : 大井 和郎
(1127 文字)
更新日:2018年3月12日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (1127 文字)
ハイドンの音楽はまず楽観的です。そこには気品が存在し、オペラ的要素や弦楽四重奏の要素もありますが、もっとも知らねばならないのは、ハイドンは人を驚かすことが好きな、ユーモアたっぷりの作曲家だということです。まずはそれを理解した上で、楽譜を見ていきましょう。冒頭、弦楽四重奏と考えても構いませんし、女性歌手の歌声と考えても構いません。いずれにせよ、重たさは禁物ですので、スタッカートはできる限り軽く、付点のリズムも軽く弾くことが重要です。そして突然のフォルテや突然の転調や期待していなかった和音など、ハイドン独特の楽しいサプライズがあっちこっちに見られます。 例えば、7小節目の2拍目はV7の和音ですから、本来であれば8小節目に来る主和音で解決されなければなりません。しかしハイドンはフォルテマーキングを左手につけています。これはsubitoフォルテと考えて間違いありません。右手のメロディー、左手の伴奏共にフォルテで構わないと思います。 16小節目、明らかに弦楽四重奏の部分です。弦楽を思い浮かべ、音楽が横に流れるように、またポリフォニーの秩序を守って演奏してください。このソナタの技術的に困難な箇所はターンではないかと思います。あっちこっちに出てくるターンは抜ける音やムラが一つもないように弾きます。 その他、気を付けなければならないのは42小節目の右手のようなオクターブの箇所です。メロディックに処理し、固くならないように気をつけます。また、多くの箇所に見ることのできるフォルテマーキングも、あまりフォルテにし過ぎないように気をつけます。あくまでも上品に。 90小節目から91小節目に移行する時、91小節目がオクターブになりますが、突然91が大きくならないようにします。crescendoは86小節目から始まっています。徐々に音量を上げ、91にはオクターブになったことさえ気がつかれない位にスムーズに入るように心がけます。 105小節目、再現部ですが、あたかも恰幅のいい紳士が歌っているように、太めの音でメロディーを演奏します。個人的に、この楽章で最もフォルテとなる箇所は150-151小節間だと思っています。150小節目の最初の左手の和音も大きくして良いと思います。驚きの箇所です。 曲中には多くのフェルマータが見られます。奏者が考えなければならない事は、この楽章を1つの物語と考え、フェルマータの部分やその他の部分のムードを箇所箇所で細かに考え、各部分がどのような会話の内容であり、どのようなムードであり、どのようなキャラクターがいるのかを想像してください。深刻な話はありません。実にローカルな、気品の高い楽天的な会話と考えてください。
執筆者 : 齊藤 紀子
(537 文字)
更新日:2007年8月1日
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執筆者 : 齊藤 紀子 (537 文字)
正確な作曲年は不明であるが、1780年にHob. XVI/39までの作品と共に「ソナタ集 第1巻」としてウィーンで出版されたことから、それ以前の作であることがわかっている。このソナタ集はアウエンブルッガー姉妹に献呈されている。全3楽章から成る。
第1楽章はアレグロ・コン・ブリオの2分の2拍子でハ長調。非常に簡潔な音形で開始する。展開部(第68小節~)では、この第1主題は後半→前半の順に展開されていることが興味深い。また、再現部では(第104小節~)、リズム変奏される際に、同主短調にあたるハ短調になっている。
第2楽章はアダージョの2分の2拍子でヘ長調。第8小節の序奏の後、属調にあたるハ長調で主題が提示される。その後、序奏から引き出された中間部を経て、今度は主調で主題が提示される。主題は単旋律から成り、その終わりの部分にのみ3度の重音が見られる。
第3楽章はアレグロの4分の3拍子でハ長調。3部形式で書かれている。主要主題は主和音の第3音から根音へと向かう順次進行に基づいている。この音型はこの楽章を通して様々な音高で用いられ、展開される。中間部は第26小節で開始し、冒頭の部分の再現は第70小節で開始する。中間部では属調にあたるト長調、同主短調にあたるハ短調が見られる。
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