バッハ : イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989
Bach, Johann Sebastian : Aria variata alla maniera italiana a-moll BWV 989
作品概要
作曲年:1708年
出版年:1867年
初出版社:Peters
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:変奏曲
総演奏時間:15分20秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(645 文字)
更新日:2023年9月20日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (645 文字)
この手の変奏曲の場合、最初のテーマ(Aria)が最も重要で、その後のヴァリエーションは全て最初のテーマが基本になりますので、冒頭のテーマのみに関するお話になります。
1~2小節間 1小節目と2小節目は、それぞれ2~3拍間がテンションの高まる部分になります。故に1拍目と4拍目はpで演奏します。1小節目と2小節目を比べた場合、2小節目では最高音であるCに達するため、1小節目よりもテンションが上がりますので、2小節目の方を大きく弾きます。
2小節目4拍目裏拍の8分音符は、次の小節にスムーズに持っていく経過音を含んでおりますので、3小節目1拍目はいきなりe-mollに転調という部分なのですが、pで始めることで違和感のないスムーズな流れとなります。
この3小節目のテンションは人によって弱かったり強かったり感じ方が変わると思いますが、繰り返しの時に、1回目とは異なったダイナミックを与えてあげれば良いでしょう。3~4小節間でひとまとめとします。
5~7小節間は上行形シークエンスですので、徐々に音量を上げていきます。8小節目最終的にd-mollで落ち着きます。9~10小節目、ハーモニックシークエンス、音量は自由に設定して下さい。11~12小節間、a-mollに戻ります。
奏者が感じるダイナミックを与えて欲しいのですが、例えば9小節目と10小節目は全く雰囲気を異ならせる方が良いので、そのあたりの強弱の選択をしてください。
後半も、繰り返しの際に、1回目とは異なった音量や音質で弾くことをお勧めします。