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ショパン : エチュード集(練習曲集) 第3番 「別れの曲」 Op.10-3 ホ長調

Chopin, Frederic : 12 études Etude No.3 E-Dur Op.10-3

作品概要

楽曲ID:20768
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:4分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2025:E級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展1 発展2 発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:131件
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解説 (2)

解説 : 今関 汐里 (676 文字)

更新日:2019年8月7日
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1832年8月25日作曲。

資料

スケッチ(ニューヨークのモーガン・ライブラリー所蔵、請求番号Cary 144)

ワルシャワのショパン博物館(M/192)および、ニューヨークのロバ―ト・レーマン・コレクションに自筆譜が所蔵されている。

通称は、1934年に公開されたドイツ製作のショパンの伝記映画『別れの曲』で、本作が主題歌として用いられたことから定着した。

現存する2つの自筆譜の速度記号は異なっており、レーマン・コレクション所蔵の自筆譜には、「Vivace」、ショパン博物館所蔵の自筆譜には「Vivace ma non troppo」と記されている。これらは、出版時にショパンによって「Lento」へと変更されたとみられている。この変更は、ショパンが弟子のグートマンに「私の一生で、これほど美しい歌を作ったことはない」と語っているように、この作品のもつ叙情性をより一層引き立たせるためのものだと考えられる。両手の内声と旋律、バスの弾き分けが重要な課題として打ち出されている。

A(1-21)-B(22-61)-A(62-77)の三部形式。中間部(B)は、Aとは対照的に転調が激しくなるのと同時に次第に荒々しい局面を見せる。鏡に映したように左右で対称的な動きをする6度の重音が8小節にわたって現れ(46-53小節)、その激情は頂点に達し、叙情的なA主題と主調が回帰する。

音楽学者ジム・サムスンによれば、現存する自筆譜には「Presto con fuoco(すぐに続けて)」という指示があるという。このことから、本作品は、熱情的な第4番と対を成す作品と考えられる。

執筆者: 今関 汐里

演奏のヒント : 大井 和郎 (1205 文字)

更新日:2018年3月12日
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第3番 ホ長調「別れの曲」  どんなに層が厚い部分でも、和音の一番上の音を出し、硬く聴かせないことがこの曲のポイントとなりますが、やはりなんと言ってもBセクションがネックになります。特に手の小さな学習者にとって、Bセクションは本当に難しくなります。手の小さな人でも弾けるように工夫をしてみましたのでご参考まで。なお、譜例がありませんので説明がかなり難しくなります。  Bセクションでは、ショパンは小節をまたいで16分音符のペアを書いています。拍の表とか裏という説明では非常に分かりづらいので、1つ目の16分のペア、2つ目のペア、と言うように説明します。  まず42小節目と44小節目です。手段は同じなので、42小節目でやり方が分かれば同じ事を44小節目で行います。42小節目には、16分音符のペアが4つ入ってきます。厳密には3つと半分で、4つ目のペアの2つ目が次の43小節目に食い込んでいるのですが、今はそれを考慮せず、「4つのペア」とします。これはとても簡単で、まず1つ目のペアである、Dis HとA Fisの説明です。この際に、Dis H FIsを右手で取り、Aのみを左手で取ります。つまり右手が3つ左手は1つになります。  本来であれば4つとも右手で取るのですが、そうしないで左手の力を借ります。次のペアは左手が取ることになっていますが、そうしないで、先ほどと同じように、Dis H FIs を右手、Aを左手でとります。3つ目のペアも4つ目のペアも同じです。  これと同じ事を44小節目でも行います。手の小さな人にはとても楽になるはずです。  加えて、46小節目以降です。これは手が普通のサイズの人にとっても辛い部分ですので、手の小さな人にはなおさらです。ここからも、ペアで説明します。 46小節目: 1つ目のペア 右手 D1 H5 Gis1 F5 左手 D5 H1 Gis4 F1 2つ目のペア 右手 F1 D3 H1 Gis4 左手 F5 D1 H5 Gis1 3つ目のペア 右手 C1 A5 Fis1 Dis5 左手 C4 A1 Fis4 Dis1 4つ目のペア 右手 Dis1 C3 A1 Fis4 左手 Dis5 C1 A5 Fis2 47小節目:  1つ目のペア 右手 C1 A5 Fis1 Dis4 左手 C5 A1 Fis4 Dis1 以下同様です。つまりはペアで5-2、4-1などの指使いを16分音符1個分ずらしてしまった形です。そうすると楽になるはずです。お試し下さい。  その他の注意点:21小節目、に右手の装飾であるGis と Fisは、 Gisが前の小節のGisからタイで繋がれていますので弾き直しません。版によってはタイが書いていない版があり、奏者は21小節目で再びGisを弾き直しますが、このようなリピート音はショパンは絶対に使いません。ミスプリントであることは明らかです。

執筆者: 大井 和郎

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