倉敷の大原美術館の委嘱により作曲され、その創立30周年記念音楽会にて山岡優子氏により初演された。「ベートーヴェンのソナタ作品109に精神的な影響を多く受けた」と楽譜にも記されているとおり、同作品と同じく、一楽章の主題を巧みに用いる循環主題によって、各楽章に緊密な関連と発展が計られた音楽構造を持つ。
第一楽章(約4分)
「Agitato」と「Adajio」の2つの主題の対比が鮮やかな、簡潔なソナタ形式。
第二楽章(約3分)
一楽章「Agitato」の主題を用いた急激なトッカータ「Allegro ritomico」。
第三楽章(約9分)
一楽章「Adajo」の主題の自由な変奏曲。