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プーランク :シテール島への船出 変ホ長調

Poulenc, Francis:L'embarquement pour Cythere Es-Dur

作品概要

作曲年:1951年 
楽器編成:ピアノ合奏曲 
ジャンル:性格小品
総演奏時間:2分00秒

解説 (1)

演奏のヒント : 篠崎 みどり (1145文字)

更新日:2015年5月12日
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この二台ピアノによる作品は、プーランクが二人のアメリカ人ピアニスト、アーサー・ゴールドとロバート・フィツダールに出会ったことがきっかけで作曲された。また、プーランクはちょうどその時期にアンリ・ラヴァルの映画「アメリカ旅行」の作曲を引き受けており、その映画の中から「シテール島の船出」が生まれる。彼は先にアントワーヌ・ワトーの絵画を観賞し、その絵の中からインスピレーションを受けて音にした。船出の浮き立つさまをヴァルス・ミュゼットのスタイルで作曲した。この絵画はドビュッシーも影響を受けて≪喜びの島≫を作曲している。  この曲は全体に軽快で明るい感じの趣である。7つのセクションとコーダを持つ。  A(1-16) B(17-48) A(49-64) B(65-80) A(81-96) C(97-128) A(129-158) Coda(159-)  第一ピアノ(以下プリモ)と第二ピアノ(以下セコンド)は交互に旋律を受け持つことから楽器の配置は対面が好ましい。この配置は観ている者にとってもエンターテイメントを感じることができる。  3つの主要旋律A・B・Cが登場する。(各々のセクション冒頭が旋律主題)  Aの旋律は順次進行、Es-durの音階を3拍子でなぞる。2オクターヴ離れた旋律は響きのバランスを工夫するとよい。  Bの旋律は跳躍したアルペジオ風な動きを取りA旋律とは対照的である。左右共々和音を伴っての動きのために、少々弾き難いことから運指の決定を勧めたい。  Cは新しい和音での動き。上声部と下声部が旋律をなぞっているため和音の響きのバランスを工夫。Cから再びAに戻る前の4小節間はプリモが半音下降形、セコンドがユニゾンでの半音上行形の動きで互いにぶつかり合う不協和音である。これはプーランク独自の音の扱いとして解釈できるので互いのパートをよく聴き合うように。  各々のセクションは必ず転調を伴っているので、その変わり目や音色、響きの変化を醸し出す工夫をするように。伴奏形は色々な形を造っているので、個々に重いタッチや響きにならないように「ヴァルス」を念頭に置いてリズムを大切に。そして旋律とのバランスは各パート奏者がよく聴きながら調節するように。デュナミークについてはf、mf、mp、pの音量区別を忘れずに。ペダルはsans pedal以外は音を保つために必要な箇所は踏むように、決して無理な演奏にならないように。Cadaのセクションのペダルは作曲者が音を和らげてぼかしてと指示通りpppを意識しながら、ただし音が抜けないこと。 プリモとセコンドの音域の組み合わせ方がセクションにより異なるので、個々に響きのバランスを工夫しながらプーランクの特色を生かせた演奏ができるように。

執筆者: 篠崎 みどり
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