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ベートーヴェン : ピアノ三重奏曲 第4番「街の歌」変ロ長調

Beethoven, Ludwig van : Trio für Pianoforte, Violine und Violoncell "Gassenhauer" B-Dur Op.11

作品概要

作曲年:1797年 
出版年:1798年 
初出版社:Mollo
楽器編成:室内楽 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:22分10秒

解説 (1)

執筆者 : 丸山 瑶子 (711文字)

更新日:2010年1月1日
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終楽章に当時大人気だったヴァイグル*1のオペラ、《船乗りの愛》から主題を取った変奏楽章を持つため「ガッセンハウアー(=流行歌)・トリオ」の呼び名を持つ。ベートーヴェンが多楽章作品で唯一他人の主題を使った作品。変奏主題の選択は、クラリネット奏者の希望など諸説あるが、作曲家自身は他人による主題に不満で、終楽章の書きかえも考えていたとの逸話がある。

作品全体は3パートの模倣や応答を中心とする。ピアノパートは分散和音や高音の装飾音形で他のパートが奏でる主旋律を包み込み、全体の響きを豊かにしている。

ソナタ形式の第1楽章では、冒頭主題の3音動機やシンコペーションのリズムが展開される。また副主題直前や展開部始めの突飛な転調が斬新さを加える。展開部のピアノのアルペッジョは、響きの軽い当時のヴィーンのピアノでは、ペダルを押したまま弾き通されたのかもしれない。

緩徐楽章はABA’の3部形式。A’では、ピアノの装飾音形が主旋律を殺さないように。

終楽章は変奏の配列に工夫が見られ、第1~2変奏はピアノの有無で、第4~5変奏は2分音符のリズムで、第7~8変奏はクラリネットとチェロの応答とピアノの和音進行という共通点で、2変奏ずつ対となる。最終変奏は15小節間ものトリルが主題を華やかに装飾する。

クラリネットの代替として初版時に出版された、作曲家自身によるというヴァイオリンパートには、所々に重音奏法など弦楽器語法への配慮が見られる。

*1 ヨーゼフ・ヴァイグルJoseph Weigl(1766~1846年)

ヴィーンで活躍した作曲家、指揮者。1791年からサリエリの後を継いでヴィーンの宮廷劇場の楽長となる。オペラの分野で多くの功績を残す。

執筆者: 丸山 瑶子

楽章等

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その他特記事項
ピアノ、クラリネット(ヴァイオリンでも可)、チェロのための三重奏曲。 「街の歌」(本来は「流行歌」という意味)の愛称は、当時ウィーンで人気を博したJ.ヴァイグルの歌劇《船乗りの愛》から第12曲目のアリアを第3楽章における変奏曲の主題として用いたことによる。