プーランク :2台のピアノのためのソナタ FP156
Poulenc, Francis:Sonate pour 2 pianos
執筆者 : 永井 玉藻 (739文字)
1952年秋から翌53年春にかけて作曲された。作品は、2人のアメリカ人ピアニスト、アーサー・ゴールドと、ロバート・フィッツダールに献呈されている。作曲家とこの2人のピアニストは1947年から親交があり、プーランクは彼らを「ボーイズ」「キディーズ」と呼んでいた。彼らは1949年から、プーランクの《2台ピアノのための協奏曲》をコンサートのレパートリーとしており、同年6月に2人がパリで初のコンサートを行った際、プーランクが舞台裏に現れ、2台ピアノのソナタの提供を申し出たという。作品は、まずロンドンのウィグモア・ホールで1953年11月2日に世界初演され、続いて11月24日に、パリのサル・ガヴォーでフランス初演された。なお、2人のピアニストは、のちにアメリカにおけるプーランクのピアノ作品の普及者として、重要な役割を果たすことになる。
作品は、第1楽章「プロローグ(極めて遅く、そして静かに)」、第2楽章「アレグロ・モルト(とてもリズミックに)」、第3楽章「アンダンテ・リリコ(遅く)」そして第4楽章「エピローグ(アレグロ・ジョコーソ)」の4つの楽章で構成されている。プーランクについての伝記を世界で初めて執筆したアンリ・エルは、この2台ピアノのためのソナタを、「最も完全にプーランク的な作品で、彼そのものを見出すことが出来るものの一つ」としている。実際に、この作品においては、《2台ピアノのための協奏曲》や、《ミサ曲》(FP 89、1937年作曲)に登場する動機などが見られ、さらには、1961年に作曲されることになる《テネブルの7つの応答》(FP 181)で用いられる動機も、すでに登場している。2台ピアノのための作曲において、プーランクが得た経験と知識が結集した作品である。
第1楽章
総演奏時間:7分00秒
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第2楽章
総演奏時間:5分00秒
第3楽章
総演奏時間:7分30秒
第4楽章
2台のピアノのためのソナタ FP156 第4楽章 演奏:塩川 正和
2台のピアノのためのソナタ FP156 第1楽章 演奏:塩川 正和/岩尾麻梨菜
2台のピアノのためのソナタ FP156 第2楽章 演奏:塩川 正和
2台のピアノのためのソナタ FP156 第3楽章 演奏:塩川 正和
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