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プーランク :ピアノ協奏曲 嬰ハ短調 FP.146

Poulenc, Francis:Concerto pour piano et orchestre cis-moll FP.146

作品概要

楽曲ID:145
作曲年:1949年 
楽器編成:ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) 
ジャンル:協奏曲
総演奏時間:21分30秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (1153文字)

更新日:2018年3月12日
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プーランクは1943年頃から、ピアノ協奏曲を書く計画を持っており、そのことは、友人の歌手ピエール・ベルナックへの手紙などで明らかにされていた。しかし、実際に作曲が始められたのは1949年5月になってからのこと。作曲は夏から秋にかけて進められ、同年10月に完成した。初演は1949年の終わりごろ、楽譜出版社サラベールの社長夫人宅にて、プライベートに行われた。この時は、オーケストラによる伴奏ではなく、ジャック・フェヴリエとプーランクによる2台ピアノ版での演奏だった。その直後の12月28日、プーランクはベルナックとのアメリカ演奏ツアーに出発し、年明けにボストンに立ち寄った際、シャルル・ミュンシュからの依頼で《ピアノ協奏曲》の公開初演を行うことになった。こうして、公開初演は1950年1月6日に、作曲者によるソロ、ミュンシュの指揮、ボストン交響楽団との共演で行われた。なお、作品はプーランクが愛してやまなかったソプラノ歌手のドニーズ・デュヴァルと、レーモン・デトゥシュに献呈されている。

ボストンでの公開初演の際、プーランクは「彼の作品スタイルよりも、シベリウスとブルックナーのほうに慣れている」土地の聴衆のことを、多少心配していたという。それはプーランクが、この協奏曲に当時の自分自身を最も投影していたためであろう。実際、第1楽章に関して、プーランクは「50歳のプープール(注:プーランクの愛称)様式」と述べているほか、第3楽章がボストンでの初演で、「その生意気さといたずらっこ的な側面ゆえに」、聴衆にショックを与えたと回想している。

第1楽章「アレグレット」は2つの部分からなる中間部を主題提示部分で挟む、A-B-C-Aの構成をとる。ピアノが弾きだしたメランコリックな主題はオーケストラに引き継がれ、一度トゥッティで区切りを迎えると、短い移行部分を経て、雰囲気の異なる大変軽快なB部分へ入る。C部分では、上行するピアノの和音ソロに先導されて、金管楽器によるファンファーレが繰り返される。オーケストラによる旋律が緩やかに上昇して一旦音楽が休止すると、冒頭の主題部分に戻り、B部分が一度回想されてから、最後は全楽器の強奏で締めくくられる。

第2楽章「アンダンテ・コン・モート」は、様々な表情の主題を、オーケストラとピアノ・ソロとで交代して演奏していくスタイル。冒頭の主題を形成する大きな跳躍の繰り返しや、同じリズムの連続などは、プーランク作品の旋律に良く聴かれる特徴である。

第3楽章「フランス風ロンド」は、次にどの主題が来るか予想がつかないほど、非常に自由なロンド形式といえる。プーランクの形式的な作品に共通する第3楽章の軽快さは、この協奏曲でも見られる。最後は、ピアノの一気に下行する旋律とともに締めくくられる。

楽章等 (3)

第1楽章

総演奏時間:11分00秒 

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第2楽章

総演奏時間:5分30秒 

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第3楽章

総演奏時間:5分00秒 

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