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メンデルスゾーン :「夏の名残のばら」による幻想曲 Op.15 U 74 ホ長調

Mendelssohn, Felix:Fantasie über 'The last rose of summer' E-Dur Op.15 U 74

作品概要

作曲年:1827年 
出版年:1833年 
初出版社:Mechetti, Vienne
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:幻想曲
総演奏時間:9分00秒

解説 (1)

執筆者 : 和田 真由子 (439文字)

更新日:2007年10月1日
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1827年に作曲された。アイルランドの国民的詩人、兼作曲家のトーマス・ムーア(1779-1852)の詩によるアイルランド民謡《夏の名残りの薔薇》が基になっている。 この民謡は、世界中の人々に親しまれている名曲であるが、メンデルスゾーンによってさらに身近なものになった。《「夏の名残のばら」による幻想曲 ホ長調》は、サロンでも流行し、しばしば演奏されたようだ。

曲の冒頭から、ホ短調の分散和音により、静かで幻想的な響きがつくられる。その後ホ長調で優しく歌われるのが、《夏の名残りのバラ》の主題である。中間部は、ホ短調、プレスト・アジタートではじまり、徐々に動きを増していく。ここでは16分音符が左右の手で交互に奏されるが、主要な音の動きを明確にきかせる必要がある。また、アダージョで挿入される主題の断片や、ゆっくりと歌われるレチタティーヴが登場し、プレスト・アジタートのリズムと対照を成して幻想的な効果をあげている。再びアンダンテで主題が優美に歌われ、最後は消えるように曲を閉じる。

執筆者: 和田 真由子