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リスト :聖杯への厳かな行進曲(ワーグナー) S.450 R.283

Liszt, Franz:Feierlicher marsch zum heiligen gral (Wagner) S.450 R.283

作品概要

作曲年:1882年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:リダクション/アレンジメント
総演奏時間:9分40秒

解説 (1)

執筆者 : 上山 典子 (649文字)

更新日:2015年3月25日
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1882年7月26日、バイロイト祝祭劇場における舞台神聖祝典劇≪パルジファル≫(全3幕)の初演に出向いた70歳のリストは、その後の4公演ならびにリハーサルの場に現れるほどの熱烈的ワグネリアンになっていた。そしてその間にそのバイロイトの地で、ワーグナー=リストの最後のピアノ編曲となる《聖杯への厳かな行進》は完成した。原稿は同年9月16日付でマインツのショット社宛に送付され、翌1883年12月に出版された。またほぼ同時期あるいはその直後に、ミラノのルッカ社からも出版された。

リストがわずか一週間余りで仕上げたこの編曲は、原曲≪パルジファル≫の第1幕から「鐘の動機」、「聖杯の動機」など幾つかの断片的動機を用いているが、それらは決して発展せず、展開もされない。また調は曖昧で、ほとんど主和音に到達しない。それはリスト自身の晩年のピアノ小品(例えば《不運》(1880年以降)、《灰色の雲》(1881年)、《リヒャルト・ワーグナーの墓場に》(1883年)など)を彷彿とさせるスタイルで、≪パルジファル≫の編曲というよりも、まるでリストのピアノ・オリジナル曲かのように創作の度合いが高い。

編曲の初演は完成直後の1882年9月29日に、リストの弟子で当時18歳だったオイゲン・ダルベール(1864-1932)によってワイマールで行われた。ダルベールは晩年のリストがワイマール、ブダペスト、ローマの3都市で行っていたピアノ・マスタークラスの受講者で、その後ドイツを中心に、ピアニスト並びに作曲家として活躍した。

執筆者: 上山 典子
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その他特記事項
ワーグナーの舞台神聖祝祭劇『パルジファル』第1幕から