アンティフォニー、トロープ、コンステラシオン、ストローフ、ゼクエンツの5つのフォルマン(形成されつつあるもの)からなる。この5つのフォルマンの演奏順序は演奏者に任されているが、全くの無秩序なのではない。必ずコンステラシオンが中心でなければならず、よって8種類の可能性がある。ブーレーズ自身、「興味の中心は1つの作品の2つの顔を比較するなどということではなく、まさに作品が決して決定的に固定された1つの顔を持たないであろう、ということを知ることなのです。」と語っている。しかし、今のところトロープとコンステラシオンしか出版されていない。
トロープ
グレゴリア聖歌に新しい歌詞と装飾的旋法を挿入するという「トロープ」の形式を援用している。テキスト、パランテーズ、グロス、コメンテールの4つの部分からなり、どこから始めても良い。テキストとグロスが確定された構造、パランテーズとコメンテールが「管理された偶然性」を取り入れた不確定な構造になっている。
コンステラシオン
ポワン1、ポワン2、ポワン3、ブロック1、ブロック2からなる。楽譜は二色で印刷されていて、ポワンは緑、ブロックは赤で示される。