作品概要
解説 (2)
総説 : 原 晶穂
(180 文字)
更新日:2018年3月12日
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総説 : 原 晶穂 (180 文字)
ポーランドの女性ピアニストのテクラ・バダジェフスカ(1834-1861)が22歳の時に作曲した作品。当時、上流階級家庭の娘たちがサロンでピアノの演奏をするのは一般的であり、そうした文化の中では、このように演奏効果が高く、かつ、手頃な難易度の作品は大変好まれた。この作品は大流行し、その反響に応えるように、パダジェフスカは続編《かなえられた祈り》を作曲している。
演奏のヒント : 大井 和郎
(1496 文字)
更新日:2018年3月12日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (1496 文字)
技術的な面においては、さほど難しくはない曲ですが、この曲で最も難しいのは、音楽的な変化のつけかたにあります。調は一貫してEs-durが続き、転調することもなく、使われる和声も基本的な3和音位しか使われません(I ii6 V I)。しかも各セクションにリピートマーキングが付いていて、更なる同じ進行が繰り返されますので、奏者は各セクションに変化をつける工夫がさらに必要になります。
冒頭から見ていきましょう。冒頭4小節のカデンツは、1小節めにフォルテ、3-4小節めにスフォルツアンドが付いています。1小節目から華やかな左右のオクターブが8つ続いて、3小節目の和音で落ち着きます。さて、この8つのオクターブですが、ゴールを3小節目のサブドミナントの和音に定め、そこへ向かって行くダイレクションを作ります。結果、8つのオクターブは、例えば、フォルテと書いてあってもそこまでフォルテは出さずに、mezzo forte辺りから始まり、3小節目のゴールに向かってクレッシェンドと少しだけaccelをつければ良いかもしれません。この8つのオクターブを弾くにあたり、メトロノームのようなタイミングで弾くことと、ダイナミックレベルが全て同じであること、の2つを避けることで演奏がより聴きやすくなります。
5小節目から主題が始まります。いきなり右手のオクターブで始まりますが、オクターブで主題を演奏するということは、この曲に限らず、メロディーラインが固くなりがちです。単旋律の半分位の音量で十分ですので、くれぐれも音量には気をつけます。続いて、メロディーのシェーピングですが、この曲のメロディーは必ずアルペジオで上行し、スケールで下行します。5小節目3拍目のメロディーであるGを目指して音量を上げ、Gに達したら、6小節目のメロディーの最後の音であるCに向かって減退して下さい。7-8小節目も同じマナーですが、7-8小節目の方が、5-6小節目よりも穏やかに弾きます。
これらの基本的なシェーピングとダイレクションが出来上がれば、それを各ヴァリエーションに利用し同じように弾けば良いのですが、例えば大きな問題は、13小節目から28小節目の処理の仕方です。13-28小節間は2つのセクションで、13-20、21-28に分かれます。ところがこの2つのセクション、最後の小節を除き、あとは全く同じであることがわかります。しかも各セクションにリピートが付いています。つまり、同じこと をほぼ4回繰り返すことになり、奏者は多くの工夫が必要になります。表情を変えたり、ダイナミックやアーティキュレーションなど、あらゆる工夫をして、この4回が全く同じようにならない演奏を目指してください。
29小節目は、乙女というよりは、男性のテノール歌手が歌っているようなイメージです。ゆえに、マルカートではっきりと旋律を出します。37ー52小節間以降は再び乙女に戻りますが、今回はトリルが加わります。より一層、華やかさが増しますので、生き生きとした演奏が望ましいと思います。そして最後のCodaは、53小節目から始まり。60小節目で終わるのですが、マーキングにpiu allegroとありますね。
このように分析すると、この曲は、冒頭から最後まで、後半に進むにつれて、感情が徐々に高ぶることがわかります。ですから、奏者はそれを念頭に置いて、少しづつ変化をつけ、聴いている人たちを最後のCodaまで徐々に導き、緊張感を持たせ、退屈させることのないような工夫を試しみてください。個人的な話になりますが、各セクションのリピートは省略しても良いように思います。
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