モンポウ :前奏曲 第9番
Mompou, Federico:Prelude No.9
執筆者 : 和田 真由子 (257文字)
前奏曲の5~10番は、1930年~51年にかけて作曲され、《6つの前奏曲》として翌年1952年にSalabert社より出版された。
この《前奏曲第9番》がかかれたのは1943年。調号無し、ラングイド、8分の6拍子。
悲しみにうちひしがれていくように半音ずつ下降していく左の和音の上で、旋律が同じ音型を繰り返しながら嘆くように歌われていく。中間部では、旋律が高音域、オクターブで奏される。低音でひびきわたるバスの響きに支えられて、こらえきれなくなった感情が涙となって声とともに一気にあふれだすようなクライマックスである。