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ヒナステラ :マランボ Op.7

Ginastera, Alberto:Malambo Op.7

作品概要

楽曲ID:7601
作曲年:1940年 
出版年:1942年 
初出版社:Ricordi americana
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:2分50秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

解説 : 川端 美都子 (451文字)

更新日:2024年1月21日
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ガウチョがステップを競い合う前に調弦をしているかのように、ギターの開放弦と同じ音列が、冒頭からゆっくりとアルペジオで鳴らされる。ヒナステラは伝統的なマランボの演奏実践に倣いつつ、その音楽的特徴を抽象化した形で昇華している。実際のマランボでは、サパテオzapateo(足のステップ)のリズムが重要であるため、ギター伴奏の和音進行は原則的にIV-V-Iの繰り返しとなる。また、競い合ううちにサパテオのリズムは長く、複雑になっていく。ヒナステラ版のマランボでも、シンプルな単音から、徐々に音程が上がり、音の数も二和音からクラスターにまで増えていく。一方、不協和音の激しいぶつかり合いや、左手の半音階で駆け上がるパッセージは、慣例的なマランボには見られない。このような作曲上の工夫により、ヒナステラは、雄々しい風貌のガウチョが、短剣を靴底に打ち付け、ボレアドーラスboleadoras(革で包んだ2つの石を縄で繋いだ武器)を床に叩き付けながら豪胆に踊る、マランボの興奮と迫力を伝えようとしていたのかもしれない。

執筆者: 川端 美都子

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