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ミゴー : 4つのノクターン

Migot, Georges : Quatre Nocturnes

作品概要

楽曲ID: 7504
作曲年:1945年 
出版年:1954年
初出版社:Alphonse Leduc
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ノクターン
総演奏時間:42分00秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

解説 : 西原 昌樹 (1385 文字)

更新日:2025年7月24日
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壮年期の大作。第二次世界大戦の終戦直後に書かれた。ノクターンのタイトルを持つ曲としては《3つのダンテ風ノクターン》(1933〜1934)以来。前作よりも技術面では簡素となったが、思索的な曲想の深み、雄大な構成、ポリフォニーとホモフォニーを自在に操る練達の書法に、悠然たる円熟味を漂わせる。新古典主義にも前衛の諸潮流にもくみしなかったミゴは、ルネサンスやバロックの音楽に範を求めつつ一貫して独自の現代性を追求した。いきおい本作も、ロマン派や近代のノクターンとは根本的に異質なものとならざるを得ない。本質的に、ショパン、フォーレの系譜には連ならない音楽だが、ホモフォニックな箇所に、先人への一定の敬意を聴き取ることもできる。全体には、軋みを帯びたにび色の音響、浮遊し変転する捉えにくい楽想が支配的である。ギイ・サクルは、本作をミゴの最も内省的な作品と位置づけ、「うつうつと沈潜し、外界の音に耳を貸さず、風景を見ようともしない場面が延々と展開する」と評した(Sacre, Guy. 1998. La musique de piano T.02. Paris: Robert Laffont)。稀代の目利きサクルにさえ、よほど持ち重りのする曲であるらしい。本作はそれほどにも難渋さが勝っているということか。

第1曲 遅く、穏やかに、情熱的に優しく(Lent, modéré, pathétique et tendre 4/4)、1945年5月完成、ピアニストのヴァレリー・スデール(Valérie Soudères)に献呈。第2曲 活発に、優しく明瞭に(Allant, tendrement et clair 3/4)、1945年9月完成、Y. M. こと、作曲者の妻イヴォンヌ・ミゴ(Y[vonne] M[igot])に献呈。サクルはこの第2曲を、4曲の中で最も理解しやすい曲と評している。この曲から取り組むのも一案であろう。第3曲 アンダンテ、葬送(Andante, funèbre 3/2)、1945年8月完成、C. M. こと、作曲者の長年の無二の友人セレスト・マルシャルの霊前に捧ぐ(In memoriam C[éleste] M[archal])。第3曲は特に規模の大きな服喪の音楽である。ここまででいったん《組曲の形式による3つのノクターン》(Trois Nocturnes en forme de Suite)としてまとめ、1946年7月に改訂した後、別に書いた曲を第4曲として追加した。第4曲 中庸に、柔軟性をもって(Modéré, avec souplesse 4/4)、1946年3月完成、ピアニストのエレン・フォスター(Elen Foster)に献呈。最終的に1949年10月に全面改訂のうえ、現行の形である《4つのノクターン》として発表。初演は、第1曲の被献呈者ヴァレリー・スデールにより、エコールノルマル音楽院講堂における1951年12月19日のミゴ音楽祭にて(第1曲のみ)、1953年3月18日の第2回ミゴ音楽祭にて(第4曲のみ)。

執筆者: 西原 昌樹

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アンダンテ、葬送

作曲年:1945 

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