モーツァルト :42の小品「ロンドン・スケッチブック」 33. Rondo K.15hh K6.15a-15ss ヘ長調

Mozart, Wolfgang Amadeus:42 Stücke "Londoner Skizzenbuch"  F-Dur K.15hh

作品概要

楽曲ID:72500
作曲年:1765年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分20秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (973文字)

更新日:2023年5月15日
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繰り返しが多く、シークエンスも多い曲なので、多くの工夫が必要になります。同じ事が2回続くとき、決して同じようには弾かないようにすることがこの曲の演奏のヒントとなります。

冒頭1~2小節間、右手のFの連打は3小節目の1拍目を合わせると全部で7つになります。この7つのFを決して同じ強弱で弾かないようにします。目標は3小節目のAですので、ここに向かって行く「方向性」を聴かせて下さい。1~16小節間、フレーズは8小節ずつ2つあると仮定します。1つ目は、1~8小節間、2つ目は、9~16小節間です。1~4小節間と、9~12小節間は左右ともに全く同じ音です。異なっているのは、5~8小節間と13~16小節間が違います。5~8小節間は半終止で終わり、13~16小節間は完全終止で終わります。

DCが62小節目にあり、ここで再び1~16小節間が弾かれる事になります。1回目は普通に弾いても良いのかもしれませんが、戻ってきたときは同じようには弾かずに、例えば、右手の連打音Fよりも、左手を出すとか、あるいは版によっては装飾音などが選択肢として書かれている版もありますので、それを弾いてみるとか、とにかく何か変化が欲しいです。

それでなくても、31~46小節間、1~16小節間と全く同じ事が起きるので、なおさらです。

31~46小節間では38小節目の左手が、8小節目と比べてオクターブ下にかかれていますね。このような「違い」を利用してなにかしらの変化を付けてみましょう。例えば、31~38小節間はフォルテで、39~46小節間はピアノで と言った具合です。

次はシークエンスを見てみましょう。17~24小節間は、4小節単位でのシークエンス下行形が現れます。17~20小節間と21~24小節間は音質を異ならせてみましょう。決して同じようには弾かないことです。

25~28小節間2小節単位のシークエンスです。なにかしらの変化を付けましょう。続いて、47~50小節間、2小節単位のシークエンスですね。この場合、55~58小節間は、全く同じシークエンスが来ますが、変化の仕方を47~50小節間とは異ならせましょう。例えば、47~50小節間のシークエンスの1つ目がフォルテ、2つ目がピアノであるのならば、55~58小節間のシークエンスの1つ目がピアノ2つ目がフォルテ、と言った具合です。

執筆者: 大井 和郎
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