バッハ, カール・フィリップ・エマヌエル :ソルフェジエット Wq.117 ハ短調

Bach, Carl Philipp Emanuel:Solfeggietto c-moll Wq.117

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:1分10秒
ピティナ・ステップレベル:発展1

解説 (1)

総説 : 中塚 友理奈 (589文字)

更新日:2015年6月12日
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C.P.E.バッハはソルフェジエット(ソルフェッジョSolfeggioとも)という名を冠する曲を3つ作曲している。いずれも1770年に出版された。  第1曲(H.220)はNon troppo vivo、ハ短調。4分の4拍子。概ね1声部で、大譜表は用いられていない。約4オクターヴにわたる音域を波打つように、流れるように上行/下行し駆け巡っていく。その間、時折現れる和音の保続により、和声が明確に響く。強弱記号はp、f、ffの他、クレッシェンド(<)やデクレッシェンド(>)の指示もあり、迫り来る感覚や遠ざかっていく感覚―遠近感を感じさせる。  第2曲(H.221)はAllegro、変ホ長調。4分の4拍子。全6小節という、非常に小規模な作品。しかしながら響きは重厚で、1小節あたりの音数も多く、密度の濃いものとなっている。右手の旋律には、最も細かい音価で64分音符や、シンコペーションのようなリズムが用いられている。一方、左手は専ら2~4音から成る和音を奏でている。  第3曲(H.222)は、Allegro assai、イ長調。4分の4拍子。全15小節。右手は16分音符で書かれた旋律を流れるように演奏する。左手は根音や属音の保続(強調)ないし和音が多いが、5~7小節のみ右手同様速いパッセージを担っている。強弱記号は基本的にfだが、9小節目と11小節目のみpの指示がある。

執筆者: 中塚 友理奈