モーツァルト :42の小品「ロンドン・スケッチブック」 1. アレグロ K.15a K6.15a-15ss ヘ長調

Mozart, Wolfgang Amadeus:42 Stücke "Londoner Skizzenbuch" Allegro F-Dur K.15a

作品概要

楽曲ID:72467
作曲年:1765年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分05秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:B級級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用2 応用3 応用4 応用5 応用6 応用7 発展1 発展2 発展3 発展4

楽譜情報:6件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (561文字)

更新日:2024年5月14日
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一見、音楽的にも技術的にも簡単な曲に見えるかも知れませんが、この曲をきちんと弾くには、多くの、モーツァルトに関する知識やオペラの鑑賞経験が必要となります。モーツァルトの曲は、オペラ的要素が強い曲が多いのですが、この曲も同じです。オペラの1つのシーンと考えます。

そのオペラは決して深刻なストーリーではなく、明るく、楽天的なムードで演奏したいところです。眉間にしわを寄せて演奏するのではなく、笑顔で演奏する曲と考えて、そのようなアイデアを持って、そのような気持ちで弾いて下さい。

例えば、1つ目のフレーズは1~6小節間と考えますが、3小節目、右手のBがピークポイントと考え、そこから徐々に衰退します。そうするとそれまでの1~2小節間はクレシェンドをかけて3小節目に向かうのですが、大事なことは、どのような心理状態であるか想像することです。これはとても楽しく、期待に満ちた曲ですので、1~2小節間は、同じ音が続きますが、気持ちが徐々に高まる様子を描写しています。ですから、1小節目、Cが3つ、その下のFとAも変わりませんが、そこだけを聴いても、どこかに向かって行っている感じを出すこと、楽しさを出すことが重要になります。

短い曲の中でも多くのドラマがありますので、フレーズ毎に、その時の作曲家の気持ちを想像し、表現してみてください。

執筆者: 大井 和郎