シューマン : ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 Op.14
Schumann, Robert : Grande sonate pour le pianoforte Nr. 3 f-moll Op.14
作品概要
解説 (1)
執筆者 : 和田 真由子
(571 文字)
更新日:2007年6月1日
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執筆者 : 和田 真由子 (571 文字)
シューマンのピアノソナタの中では最も大きな規模をもっている。この曲が楽譜として刊行されたときに、出版業者ハスリンガーの希望で「管弦楽のない協奏曲」と命名された。
初版刊行のために準備された銅版は、二つのスケルツォ楽章をもつ五つの楽章によって構成されていたが、これが実際に印刷されたかどうかは明確ではない。
「管弦楽のない協奏曲」と命名、刊行された初版は、二つのスケルツォ楽章が割愛され、三楽章で構成されていた。
第二版では、初版で割愛したスケルツォのうち一つを復活させ、「第三番グランド・ソナタ」と銘打って出版された。これが、今日演奏されているものである。
管弦楽的な多様な色彩感をもった華やかな作品。
作品全体において、第三楽章に重点がおかれている。これは恋人クララの作曲したロマンスを主題に用いた変奏曲で、この冒頭の動機によって曲全体が関連づけられている。
第一楽章:アレグロ
7小節の力強い序奏をもつ。ソナタ楽章。第一主題は、クララの動機に基づく。
第二楽章:スケルツォ
クララの動機に基づく下降形の主楽想で始まる。
第三楽章:変奏曲風に
「クララ・ヴィークのアンダンティーノ」と、その四つの変奏曲。
クララの父親に交際を禁じられていたシューマンの、彼女への熱い想いを感じさせる。
第四楽章:プレスティッシモ・ポッシービレ
めまぐるしい気分の変化をもつフィナーレ。
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